米Instacart、検索にChatGPTを活用した検索機能「Ask Instacart」を提供開始

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米国のクイックコマース大手「Instacart」が、ChatGPTを活用した検索機能「Ask Instacart」の提供を5月31日から開始した。すでに過半数のユーザーを対象に提供しており、今後数週間をかけて全ユーザーが利用可能になる予定。

食料品に関する質問にのみ応答できる専門的なモデル

「Ask Instacart」は、Instacartアプリの検索バーに組み込まれた新たな検索機能で、食材を購入する際に会話形式で質問することで、最適な食材を提案してくれる機能だ。
ChatGPTの言語処理能力に、Instacart独自のAIモデルと8万以上のパートナーの拠点からなる10億以上の商品のカタログデータを組み合わせ、この機能を実現している。

生成型AI技術はまだ初期段階であることから、「Ask Instacart」は食料品に関する質問にのみ応答するように設計された、高度に専門化したモデルだという。

例えば以下のような利用シーンが想定されている。

  • ほかの料理と相性の良い料理を見つける
    例)「ラムチョップに添える副菜は何がいい?」など
  • 代替食材を見つける
    例)「サーモンに似た魚は何?」など
  • 調理方法について詳しく知る
    例)「鶏肉を焼く時の良いソースは何?」など
  • 特定の料理を想定した場合、食材リストを生成
    例)「炒め物に何を使えばいいの?」など
  • 商品属性について詳しく知ることで、食事制限に応じたインスピレーションを得る
    例)「乳製品不使用のおやつは何?」など
  • より広範囲の、文脈に応じたインスピレーションを得る
    例)「最も美味しい野菜は何?」など

InstacartのチーフアーキテクトであるJJ Zhuang氏は、「『夕食は何にする?』というシンプルな質問は、世界中の家庭にとって最も難解な問いの一つです。予算や食事の制限、調理スキル、個人の好みなど、さまざまな要素を考慮に入れる必要があります。Ask Instacartは、これら全ての食に関する質問に答え、最適な食事の材料を1時間以内に配送することで、顧客を支援します」とコメントしている。

さらに、「Ask Instacart」は、質問を通じて消費者のニーズとブランドパートナーのスポンサー商品キャンペーンをマッチさせる機能も持つ。ニーズに合いそうな新商品との出会いを提供する狙いだ。

3月にはChatGPT向けのプラグインを提供を開始したInstacartだが、今後数か月以内にMicrosoft BingやGoogle Bardにもプラグインを提供予定とのことだ。

イイヅカ アキラ
ST編集長。Web制作会社にデザイナー、ディレクターとして従事後、フリーを経て、現在は株式会社プレイドに所属。

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