中国のインターネットサービス大手の騰訊控股(テンセントホールディングス)が同国電子商取引業界2位の「京東商城(JD.com)」の株式約15%を2億1500万ドルで取得する。
業界最大手の阿里巴巴集団(アリババグループ)に対抗するのが狙い。
テンセントは日本のLINEの競合にあたる人気チャットアプリ「WeChat」やインスタントメッセンジャーサービス「QQ」を運営する企業。いずれも日本語版も提供している。
WeChatの会員登録数は2013年10月に6億人を超えており、月間アクティブユーザー数は2億人以上を誇る。QQの会員登録数は10億人を超え、月間アクティブユーザーは8億人を超える。いずれも世界的に見てもトップ10に入る巨大なインターネットサービスだ。
テンセントはこれらのサービスを通じて京東商城への送客を行う。テンセントが運営する電子商取引サイト「網購(Wanggou)」と「拍拍(PaiPai)」は京東商城が引き継ぐ。
WeChatは独自決済機能の提供やローカルクーポンサービスなどを展開しており、2014年1月にはタクシー呼出しアプリの「Didi Dache」と提携し、タクシー呼び出し機能の提供を開始するなど、様々なシーンで軸へと成長している。
京東商城が米証券取引委員会(SEC)に提出した資料によると、同社の昨年9月末時点のアクティブユーザー数は3580万人だったという。
圧倒的なユーザー数を誇るインターネットサービスとECサイトが組む試みはこれからさらに増えていきそうだ。