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トヨタ、配車サービス「UBER」に出資 ー ライドシェア領域で協業

トヨタ自動車は、スマートフォンを活用した配車サービス「Uber(ウーバー)」を展開する米Uber Technologies社に、トヨタファイナンシャルサービスとトヨタと三井住友銀行が運営するファンド「未来創生ファンド」を通じて戦略的出資を行うことを発表した。出資額は非公開。
同時にライドシェア領域における協業を検討する覚書を締結し、両社は今後、海外でライドシェアビジネスが拡大している国・地域において、試験的な取り組みを始めながら、協業を模索していくとしている。
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一般人がドライバーとなる配車サービスを提供

Uberは、2009年にサンフランシスコ設立されたスタートアップで、スマートフォンから簡単に配車リクエストをすることで、数分で迎えに来てくれるサービスを提供している。
海外では一般人が自分の空き時間に自家用車でドライバーとして働ける仕組みを提供しており、ライドシェアビジネスの代表的な存在となっている。日本には2014年3月から正式にサービスを開始しているが、こちらはパートナー企業がドライバーを務める形で提供している。
Bloombergが事情に詳しい関係者からの情報として「トヨタの投資額は小さく、大規模な出資や将来的にウーバーを支配することには関心がないという。それぞれが別々の道を歩むことを決めた場合、トヨタは容易に投資を引き揚げることができる。」と紹介しており、これが正しいとすれば、どちらかといえば協業を進めるための出資であることがうかがえる。

ドライバーで得た収入でリース料を支払える仕組みの構築

具体的な取り組みの一つとして、トヨタファイナンシャルサービスで車をリースした顧客に対して、Uberドライバーとして得た収入からリース料を支払える仕組みを構築する予定で、Uber社がドライバー向けに提供する車両導入支援プログラム「Vehicle Solutions」にて、リース期間を柔軟に設定できるようにする予定だという。
Uber社 チーフ・ビジネス・オフィサーのエミール・マイケル氏は「グローバル規模のパートナーシップの一環として、世界最大の自動車会社であるトヨタが当社に戦略的投資を行うことを、喜ばしく思っている。トヨタのクルマは世界各国のUberドライバーから大変好評を博している。今後、当社の自動車融資プログラムの拡張をはじめ、トヨタと様々な形で協業していきたい」とコメントしている。
今後両社は、Uberドライバー向けの車載アプリの開発、研究活動に関する知見の共有、トヨタ・レクサス車のUber社へのフリート販売など、様々な領域で協業の可能性を検討していくとのことだ。


Uber(ウーバー)
https://www.uber.com/

イイヅカ アキラ
ST編集長。Web制作会社にデザイナー、ディレクターとして従事後、フリーを経て、現在は株式会社プレイドに所属。

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