あらゆるオンラインストアで即日配送サービスが利用できる世界が広がる。米国で買い物代行サービスを提供する「Postmates(ポストメイツ)」は、世界最大級のショップカートサービス展開する「Shopify(ショピファイ)」と提携したことを5月3日に発表した。これにより「Shopify」を利用する店舗は簡単に即日配送サービスを導入することが可能となった。
あらゆる店舗で利用できるデリバリーサービス
Postmatesは、2011年に設立されたサンフランシスコを拠点とするスタートアップ。フードデリバリーサービスとして拡大した買い物代行サービス「Postmates」を提供しており、地元のレストランやカフェのデリバリーだけでなく、小売店やコンビニなど、あらゆるショップの商品の配達を専用アプリやウェブサイトから注文することができる。30分〜1時間程度で配送してもらうことができ、配送料は5ドルから提供。これに加えて購入代金の9%がサービス料として発生する。
2万5千人もの配達員と契約しており、サービスはアメリカの200以上の都市で24時間365日利用できる。
店舗からではなく注文者から手数料を徴収するモデルのため、提携していない店舗の配送も頼める。そんな背景もあり、2016年3月の時点で月間5万店以上の配送代行を行い、月間の流通総額は4,000万ドル(約43.5億円)の規模に急成長している。
提携店舗も4,000を超え、月間の配達数は100万件以上となっている。
2015年10月には15分で届ける「Postmates Pop」を開始したほか、サービス開始当初から構想があったという月額9.99ドルの定額料金で利用可能になる「Postmates Plus Unlimited」を2016年3月に開始。30ドル以上の注文であれば配送料無料で何度でも利用出来るサービスも提供している。
オンラインストアの新たな配送オプションに
そして今回発表されたのが、小中規模のオンラインストアを中心に利用されている「Shopify」との連携だ。
「Postmates」のサービスを利用するには通常、専用アプリやウェブサイトから注文する形となるが、同社が2014年12月に「Postmates API」の提供を開始したことにより、外部のオンラインストアが配送手段に「Postmates」を加え、連携したサービスが提供出来るようになっている。
これまでにスターバックスやアップルストアなどがこれに対応しているが、今回「Shopify」がAPIによる連携を開始し、「Shopify」を利用する店舗が自身のショップの配送オプションに「Postmates」を簡単に加えることが可能となった。
ショップオーナーは注文が入ってから商品を梱包して待つだけで「Postmates」の配達員がピックアップに来てくれて、購入者まで届けてくれる。米国の200都市への配送に対応する。
オンラインストアが個別に即日配送サービスを提供するのは、作業的な負担だけでなくコスト面でも難題だ。しかし「Postmates」と連携することにより、大きな負担なく即日配送サービスを提供することができ、「お金を払ってでもすぐに商品が欲しい」と言ったユーザーの希望に応えることが可能になる。
ローカル店舗活性の一役を担っている「Postmates」。オンラインストアへも即時配送サービスを広げる存在となりそうだ。
Postmates(ポストメイツ)
https://postmates.com/