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ニューヨーク発!月額定額制のヘアセットサービス「Vive」

美容室でヘアセットをしてもらうのはどんな時だろうか。ほとんどの人の場合は、結婚式や大事なパーティの時など、年に数回訪れる機会にしか使わないのではないだろうか。
美容室でセットしてもらえば数段違う仕上がりにしてもらえることはわかっていても、ヘアセット代は安くないし、時間の都合をつけるのも大変。ちょっとしたお出かけに使うイメージが湧かない人も多いだろう。
そんな人にも美容室を手軽に利用できるよう登場したサービスが、ニューヨーク発の「Vive(ヴィーヴ)」だ。
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月額35ドルからの3つのプランを用意

「Vive」は、近くにある美容室のヘアセットサービスを簡単に予約し、割安料金で利用することができるサービスだ。オフィスにいる時間帯であれば、自分のオフィスの近くの美容室を予約することもできるし、友達の家にいるのであればその近くの美容室でサービスを受けられる。
月額定額制の3つのプランを用意しており、月に1回利用できるプランは35ドル、3回のプランは99ドル(1回あたり33ドル)、5回のプランだと149ドル(1回あたり30ドル)となる。筆者調べでは、北米のヘアセットの相場は約50ドルから60ドルといったところなので、1回あたり35ドル以下という料金はとてもお得な値段設定といえるだろう。ちなみに「Vive」を通して提供される「ヘアセット(blowout)」とは、あくまでも髪をセットすることだけをサービスの対象としており、シャンプーは含まれるものの、カットやカラーなどは含まない。
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アプリやウェブサイトから予約

美容室の予約はウェブサイトまたはiPhoneアプリから可能。
まず画面に表示されるマップ上で美容室を探したい場所にピンを置き、予約をしたい日と時間を入力する。すると、「Vive」が指定した位置からの距離、美容室の予約の空き情報、美容室の過去のレーティングを参考にして、条件にあった美容室を提案してくれる。
美容室の詳細を確認して問題なければ、「リクエストを送信」で予約申込を行う。平均的な美容室の営業時間である午前9時から午後7時ごろまでにリクエストを送信すると、10分以下で予約の確認が取れるという。最長6日後までの日付を指定することができ、指定日時の30分前までであれば予約が可能だ。アプリではApple Payでチップの支払いもできる。
Business Insiderによる「Vive」へのインタビューによると、44%の女性ユーザーが当日予約をしており、26%がサービス提供日の前日に予約をしているという。「Vive」はオンデマンド型のサービスとしても利用されているようだ。
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230万ドルを調達しまずはアメリカ全土、海外展開も視野に

「Vive」と提携することで美容室も恩恵を受ける。サービスの単価は下がるが、彼らは予約の空き時間を埋めることができるのでリソースの有効活用ができる。
「Vive」の集客力は高く、CEOのアラナ・グレゴリーが「Disrupt NY 2015」で行ったプレゼンテーションによると、提携する美容室の83%が、提携から1週間以内に「Vive」を通じて予約を獲得していると言う。また美容室に顧客を呼び込むことで、美容室内で販売するシャンプーなどのリテール商品を販売できる機会も増える。
「Vive」は2016年2月にDeep Fork Capitalなどが主導するシードラウンドで230万ドルを調達し、ビジネスに弾みをつけた。現在はニューヨークとその近郊のハンプトン地域、およびシカゴでサービスを展開しており、250店以上の美容室と提携する。現時点において「Vive」を利用できるのはアメリカの一部の都市のみに限られているが、同社は今後、大都市エリアを中心にアメリカ全土への拡大、そして全世界でのサービス展開を視野に入れているとDisrupt NY 2015で語った。
アメリカを中心とする北米ではオンデマンド型のサービスが次々に登場し、そしてそれが定着しつつある。Burson-Marstellerの「On-demand Economy Survey」によると、アメリカの成人全体の42%に相当する8,650万人が、オンデマンド型サービスをこれまでに利用したことがあると答えた。そして、前述したアラナ・グレゴリーのプレゼンテーションによれば、ヘアセット市場は米国単体でも580億ドル規模の市場で、2015年には前年比12%の成長を記録しているという。これらの点を踏まえると、「Vive」の成長余地はかなりありそうだ。


Vive(ヴィーヴ)
https://vive.co/

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