今回紹介する「SHIFT CARD(シフトカード)」は、ビットコインウォレットサービスの「Coinbase(コインベース)」や「Dwolla(ドワラ)」と連携してビットコインを様々な店舗で利用可能にするデビットカードです。
ビットコイン、私自身、正直なところあまりよくわかってなかったのですが、「習うより慣れろ」で買って使ってみました。
Coinbaseでビットコインを買う
まず、サンフランシスコ発のビットコインのウォレットサービス「Coinbase」を使ってビットコインを買ってみました。CoinbaseはAndreessen Horowitzなどのベンチャーキャピタル&投資家から、総額1億671万ドルの資金調達を行っています(Crunchbaseより)。
「Coinbase」はユーザー数360万人、ビットコイン流通額35億ドル。日本は未対応のようですが、米国だけでなくシンガポール、フランス、スペイン、イタリアなど32の国をサポートしています。
ビットコインを買うのはカンタン!「Coinbase」でアプリをダウンロードして、自分の銀行口座とつなげます。少額デポジットの確認で口座を認証。その後は画面の通り。
中図:買いたいビットコイン数を入力。1以下の単位でも購入可能です。そして「Buy Bitcoin」をタップするだけ。購入には1%の手数料がかかります。
右図:BTC Walletの画面。所有しているビットコインを確認できます。私の「Coinbase」には、この時2.9ビットコインありました。
無事ビットコインを手に入れたので、今度は使ってみることにしました。
ビットコインデビットカードを作る
Shift paymentsが提供する 「SHIFT CARD」を作れば、いつでもビットコインでお買い物できます。
「SHIFT CARD」のサイトから「Coinbase」のアカウントと接続。住所を入力すればデビットカードが送られてきます。カード発行料は10ドル、年会費などはかかりません。
ビットコインでお買い物しても手数料は無料。国外での利用の場合は3%の手数料がかかります。
VISAカードが使える店舗ならどこでも使えるので、クレジットカード大国のアメリカならほとんどのお店で使うことができます。試していませんがオンラインでも使えるようです。
もちろん日本でもVISAカードが使える店舗で使えます。世界3,800万店舗で利用可能です。申し込んで1週間ほどで届きました。
ビットコインでスタバでコーヒーを買う
ビットコインを使いスターバックスでコーヒーを買ってみます。ビットコインといっても紙のお札はないので、「SHIFT CARD」を使います。トールサイズのカフェラテを無事購入することができました(冒頭の写真)。
購入履歴は「SHIFT」のアプリで確認できます。タップするとビットコインとドルの表示を切り替えることができ、カフェラテ3.25ドルは現在のレートだと0.0076ビットコインのようです。
日本のクレジットを持って海外でお買い物をしているのと似た感覚です。海外でドルでお買い物をして、後日、円で請求がくる。その円がビットコインに置きかわっただけ。
ビットコインで買い物をしてみた感想
ビットコインに詳しい方には「何をいまさら」と言われそうですが、「ビットコインはお金なんだな」と改めて思いました。仮想通貨は、なんとなくふんわりとした、曖昧なお金のイメージだったのですが、ドルや円と同じようにちゃんと通貨でした。
Coinbaseのブログによると、SHIFT CARDはサービス提供スタート2ヶ月で、1万人を超える方のお申込みと、1億円以上の価値のBitcoinの利用を記録しています。
日本ではマウントゴックスの一件以来、避けられている感じがあるビットコインですが、米国ではオンライン決済代行サービス「Braintree」がビットコイン払いに対応するなど、じわじわ普及しつつあります。先日パソコン大手のDellで買い物した際も、ビットコインが決済手段の一つとして表示されていました(下図の一番下)。
ビットコイン利用の大きなメリットとして「海外送金手数料の安さ」があります。
日本にいると基本的に日本語コミュニケーションなので、海外に仕事を発注することはあまりないと思うのですが、英語コミュニケーションだと海外のリソースを活用してコスト削減する例が多々あります。
そういったことへの報酬もビットコインを使えば海外送金手数料が安く済むし、自国の通貨が不安定な人などはビットコインでの支払いを好む人もいると聞きます。
取引量も右肩上がりで増えているビットコイン、日本のECサービスなどでもそろそろ普及しはじめるのではないでしょうか。