高級百貨店「Saks Fifth Avenue(サックス・フィフス・アベニュー)」などを運営するHudson’s Bay Company(HBC)は、フラッシュセールサイト「GILT(ギルト)」を展開するGilt Groupe Holdingsを2億5千万ドル(約300億円)で買収することを1月7日(米国時間)に発表した。手続きは2月1日に完了する予定。
2011年には10億ドルの値段をつけられた「GILT」
米Gilt Groupeは招待制で行われるファミリーセールのウェブ版を作るというアイデアのもと、アレクシス・メイバンクとアレクサンドラ・ウィルキス・ウィルソンら5名によって2007年に創業された企業。現在の従業員は1000人以上になるという。
「GILT」は、会員を対象に毎日21時からブランド品を最大70%オフで販売するセールサイト。セールは78時間限定で行われ、それ以前に売り切れとなるケースもある。2007年11月にサービスを開始し、現在では900万を超える会員に利用されているという。
現在は戦略アドバイザーとして関わっている
2009年3月に日本にも進出。2011年5月にはソフトバンク(50%出資)との合弁会社を設立し、国内での展開を加速させている。現在は日本のみで200万人を超える会員が利用している。なお、ソフトバンクには米Gilt Groupeに対しても6,250万ドル(約52億円)を出資した。
米Gilt Groupeは公表されている限りで総額2億9,000万ドル(現在のレートで約341億円)を調達しており、1億3,800万ドルを調達した2011年には10億ドル(約1200億円)もの評価額がつけられた。しかし、今回は調達額の総額を下回る価格での買収となっている。
HBCは、「GILT」をアウトレットブランド「Saks OFF 5TH」と統合する計画で、「GILT」というブランドが無くなる可能性もある。日本法人であるギルト・グループ株式会社も米Gilt Groupeの傘下であるため、今後の動向にも注目だ。
GILT(ギルト)
http://www.gilt.com/