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インド最大級のEC「Flipkart」がアプリのみでサービスを提供へ ー ウェブサイトを廃止する計画

インド最大級のEコマースサイト「Flipkart.com(フリップカート)」が、ウェブサイトでの販売をやめて、アプリのみ切替えることを計画しているようだ。「The Times of India」などの複数のメディアが報じている。
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9月からアプリのみでサービスを提供へ

The Times of Indiaによると、最高プロダクト責任者のプニート・ソーニ氏が、先々週に開かれたタウンミーティングにおいて、従業員に対して「9月からアプリのみでサービスを提供する方針」であることを知らせたと事情に詳しい開発者からの証言として伝えている。
かなり思い切った選択であるように思えるが、実はFlipkartが2014年5月に買収したファッションEC「Myntra(ミントラ)」も2015年5月にアプリのみに切り替えている。
現在「Myntra」のサイトにアクセスすると、トップページにバナーなどが並んでいるが、これをクリックするとモバイルアプリに誘導する案内が表示されるようになっており、完全にアプリのみからの利用に切り替えている。
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「Myntra」はもともと90%がモバイル経由からのアクセスだったという背景があり、よりモバイルにフィットしたECであることは考慮すべきところだが、それを踏まえても「Myntra」がアプリのみに切り替えた2ヵ月ほどで十分な感触が得られたということを意味するのかもしれない。(残念ながら「Flipkart」のモバイル経由の割合に関するデータは見つけられなかった)
現状では検索経由からの流入に難があるはずだが、これからはアプリが中心となることを見据えた上で、先手を打つ狙いがあるのだろう。
BUSINESS INSIDERがまとめたところによると、2015年のインドのスマートフォンの普及率は27%になるという。急速に普及しているとはいえ、まだまだフューチャーフォンがメインだが、インドは人口が12億人を超える巨大な市場である。単純に計算すると、すでに3億人以上のターゲットがいるという意味では、日本とは感覚的にまったく異なるものと考えるべきだろう。
「Flipkart」の現在の利用客は2,600万人、1日の訪問者数は800万人にものぼる。アプリへのシフトはまだ正式に発表されたものではないため確定ではないが、インドという急激に成長する市場について「Flipkart」の動きはますます注目であることは間違いないだろう。


Flipkart.com(フリップカート)
http://www.flipkart.com/

イイヅカ アキラ
ST編集長。Web制作会社にデザイナー、ディレクターとして従事後、フリーを経て、現在は株式会社プレイドに所属。

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