ファッション情報を分析する、ニューヨークに拠点を置くベンチャー企業 Stylitics(スタイリクティクス)社が、新たなアプリを発表した。それぞれの利用者に合わせたコーディネートを、毎日提案してくれるという「ClosetSpace(クローゼットスペース)」だ。
天気、流行、他の利用者の好みを分析して提案
「ClosetSpace」で最も特徴的なのは、コーディネート提案機能だ。利用者の状況に合わせたおすすめのコーディネートを、毎日メールで送ってくれるサービスで、利用者が登録したアイテムを組み合わせてコーディネートを提案してくれるというものだ。
おすすめのコーディネートはデータ分析を活用して提案される。利用者が住んでいる地域の天候、100人以上の代表的なファッションブロガーの投稿から浮き彫りとなった流行、似たような好みを持つ他の利用者情報など、実に幅広いデータが分析対象となっている。
ファッションブロガーのコーディネートもチェックできる
「個人向けのすべてを網羅したファッションプラットフォーム」を目指すという「ClosetSpace」。その機能は、コーディネート提案にとどまらない。有名ファッションブロガー、有名デザイナーや歌手といった人々のファッションを、写真で見ることができる。さらに自分の服装を毎日登録すれば、カレンダー上で、その日どんな服装だったか、後から振り返ることも可能だ。
サービスは基本的に無料で利用できるが、25ドル(約3000円)でプロのスタイリストがコーディネートを提案してくれるサービスも提供する。利用者が登録したアイテム、過去に投稿したコーディネート写真をもとに、プロのスタイリストが10通りの着こなしをアドバイス。利用者に似合いそうなアイテムを、購入できる店の情報と併せて教えてくれる。
「ClosetSpace」は、他のファッション関連企業との連携にも積極的だ。美容師出張サービスの「GLAMSQUAD」、ネットで管理できるレンタル倉庫の「MakeSpace」といった、他のファッション関連サービスを「ClosetSpace」の利用者に紹介。「ClosetSpace」経由で利用すると、割引特典を受けることができる。
収益源はアパレル業界へのデータ販売
サービスを運営するStyliticsは、2011年に創業。「ClosetSpace」以前には、既に自分が持つ服や靴などを登録し、友だちと共有する「バーチャルクローゼット」のサービスを展開している。サイトで集めたデータを、アパレルブランドやファッションメディアへ販売することを収益源としている。
あるアパレルブランドの元バイヤーは「ファッションの需要を完璧に見極めるのは、まず不可能。品切れと売れ残りのプレッシャーで、常に追い込まれていた」と打ち明ける。担当者の経験則と「センス」に頼ることが多かったアパレル業界に「ClosetSpace」はデータ革命をもたらすだろうか。
ClosetSpace(クローゼットスペース)
http://www.closetspace.com/
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