ハイヤーなどの配車アプリを展開する「Uber(ウーバー)」が、2015年1月から貨物輸送サービスに進出した。新サービスの名称は「Uber CARGO(ウーバー カーゴ)」。サービス開始時点で利用できる地域は、香港のみとなっている。
利用者も貨物とともに同乗可能
使い方は、Uberアプリでのハイヤーの手配と同様だ。まず、Uberアプリを立ち上げ、「Uber CARGO」を選択。荷物をピックアップしてほしい場所を地図上で指定すると、トヨタ・ハイエースといった搬送車が到着する。荷物は利用者自身で積み込むことになっているものの、必要に応じて、運転手に手伝ってもらうこともできるという。利用者は荷物とともに、車に乗ることもできる。また、配送途中の車両の位置を、受取人に伝えることも可能だ。
料金は時間と距離による従量制
料金は時間と距離による従量制。基本料金が20香港ドル(日本円で約310円)。基本料金に加えて、1分あたり1.6香港ドル(約25円)、1キロあたり4.5香港ドル(約70円)が加算される。最低利用料は、40香港ドル(約620円)だ。香港で、Uberからハイヤーを手配すると、基本料金は35香港ドル(約540円)。「Uber CARGO」はハイヤーと比べて、4割ほど安い料金設定となっている。
香港は、宅配サービスがそれほど発達していない地域だ。狭いエリアに小売店舗が密集しているので宅配サービスが必要ないこと、駐車禁止区域が多いことなどが理由だ。Uberが貨物輸送サービスを香港から始めたのは、強力な競合がいないという、香港独特の物流事情があるのだろう。今後、宅配先進国の日本や他の国でも、サービスを展開できるのか。香港での結果がその試金石となりそうだ。