サンフランシスコを拠点にするスタートアップCurbside社は10月6日(現地時間)、地元での買い物を改革するスマートフォンアプリ「Curbside(カーブサイド)」を発表した。
同社は創業にあたり、インデックス・ベンチャーズ、ジェリー・ヤン氏のAMEクラウド・ベンチャーズ、エリック·シュミットのイノベーション・エンデバーズなどから、950万ドル(約10億円)の資金調達を行っている。
スマホで商品を注文し、30分後に受取
「Curbside(カーブサイド)」は、近隣エリアの様々な店舗で販売している商品をスマホアプリから注文することが可能で、対応ストアやCurbside専用の受取窓口など、好きな場所で即日受け取ることができるサービス。実際の利用者の話しでは30分〜1時間程度で商品が用意されたという声もあるようだ。
ユーザーはサービスを無料で利用することができ、店頭価格そのままの値段で商品を購入することが可能だ。
商品の準備が完了するとスマホに通知
注文後に商品が用意されると、購入者のスマホアプリに通知が届く。決済はスマホアプリで済ませることが可能なため、受取場所に行けば商品をすぐに受け取ることができる。Curbside専用の受取窓口では、車に乗車したままでの受け渡しも行う。商品は48時間以内に受け取る必要がある。
店舗に対しても受け取りに来た人が近づいていることを知らせるため、商品をすぐに渡せるように、準備できるようにしている。
カリフォルニアのサンホセエリアでのβテストを経て、サンフランシスコエリアでサービスの提供を開始した。対応する店舗は、小売チェーンのターゲット、クレイト&バレル、ホーム·デポ、トイザらスなどの10店舗で、数十万点の品揃えの中から商品を注文することができる。来月からはさらにエリアを広げて展開する計画だ。
CEOのジャロン・ウォルドマンは「配達サービスよりも速く、より便利になるCurbsideは忙しい買い物客にとって完全な解決法となる」と自信をのぞかせている。
Introducing Curbside from Curbside on Vimeo.
Appleに事業を売却した経験を持つ創業者2人によって創設
Curbside社はカリフォルニア州パロアルト拠点とするスタートアップ企業。創設者の2人はいずれもAppleに自らの事業を売却した経歴を持つ人物で、ジャロン・ウォルドマン氏はマッピングサービス「Placebase」を売却、デニス・ラプライズ氏はGoogle Earthの競合サービスとなる「Free Earth」を開発したPoly9を売却している。
創立時にインデックス・ベンチャーズ主催の「Series A round」からの800万ドルを含む950万ドルの資金調達を行っており、出資はジェリー・ヤン氏のAMEクラウド・ベンチャーズ、 オライリー・アルファテック·ベンチャーズ、エリック·シュミットのイノベーション・エンデバーズ、シカゴ·ベンチャーズ、テンワンテン、WGIグループを含み、そして元・Yahoo!社長であり、現Costco重役のスー·デッカーや、Visaの社長兼CEO、カールF・パスカレラなど数人の個人も出資者に名を連ねている。
「Curbside」は、速報系の流れというよりはスマホで注文し店舗でピックアップするサービスの発展系と言えるだろう。日本でも、スマホで注文し店舗で受け取るサービスをヨドバシカメラや飲食店などが展開しているが、それぞれの企業が単体で行っているケースが一般的だ。Curbsideは、複数の店舗に対応し、買い物の時間を軽減したり、帰りに受け取って帰りたいといったニーズに応えるものになる。
Yahoo!ショッピングも東京の豊洲で複数の店舗の商品をネットで注文し、自宅まで届けてくれる「すぐつく」というサービスを試験的に展開している。「すぐつく」の場合は、2時間以内に自宅まで配送するサービスとなっているが、「Curbside」配達をせず受取に来てもらうことで、人員の負担を軽減することに成功しているかもしれない。
AMEクラウド・ベンチャーズのジェリー・ヤン氏は「ロケーション・ベースの買い物はモバイル商戦の未来だ。そしてCurbsideはその最先端を歩んでいる」と語っている。
Curbside(カーブサイド)
https://www.shopcurbside.com/