ソニービデオ&サウンドプロダクツとWiLが共同出資により設立した新会社ambieは、同社の第1弾の製品として耳を塞がないイヤホン「ambie sound earcuffs(アンビー サウンドイヤカフ)」を2月9日に発表した。
価格は5,500円(税抜)で、同日より自社オンラインストアのほか、蔦屋家電などの一部店舗で販売を開始している。
ambieは、WiL FUNDとソニービデオ&サウンドプロダクツが2017年1月に設立した新会社。WiL FUNDが67%、ソニービデオ&サウンドプロダクツが33%を出資しており、代表にはWiLの松本真尚氏が就任している。
「人と音の、関わり方を変えていく。」を企業理念として、オーディオ製品やデジタルコンテンツ開発などを行う。「高音質や高品質を追求するというよりは、新しいライフスタイルを提案していけるような会社にしていきたい」(松本氏)とのことだ。
開放感を追求した耳を塞がないイヤホン
今回、同社第1弾の製品として「ambie sound earcuffs」を発表。耳を塞がずに聞けるイヤホンで、耳を挟み込むようにして装着するタイプの、これまでにない形状となっている。
開発責任者の三原良太氏は、ソニービデオ&サウンドプロダクツでヘッドマウントディスプレイHMZシリーズやBluetoothイヤホンの設計を担当していた人物。社内企画のハッカソンを通じて、「生活の場面を選ばず、自分だけにBGMを流し続けられる」というコンセプトにより「ambie」のプロトタイプを開発したことが、今回の商品化および事業化に繋がっている。
開放感と音漏れのバランスを最適化
「周囲の音を遮断することなく、個人的に音楽を楽しめる」という、イヤホンとスピーカーの中間のようなポジションの製品で、イヤホンを付けながら会話もできる。(音は小さめにする必要がある)
耳を塞がないイヤホンといえば、骨伝導ヘッドフォンが代表的だが、こちらは音漏れや音質面で問題があったという。
「ambie sound earcuffs」は、独自の音道管設計により、開放感と音漏れのバランスを最適化することで、一般的なイヤホンと同等のレベルまで音漏れを軽減した。
ソニーの音響技術によるドライバーユニットを採用しており、音がパイプを通って耳の穴にダイレクトに音を届ける構造。装着する際の位置によって、だいぶ音量や音の印象が異なるため、慣れるまでコツが必要だ。
この形状により「鼓膜への負担が少ない」「蒸れにくい」「コードが触れた際のタッチノイズがない」などのメリットも生まれている。
実際に使用した感想としては、まず耳を挟み込む新しい形状ということもあり、装着するのにかなり苦戦したことを触れておきたい。また、ベストポジションを探すのが難しく、毎回手こずってしまう面もある。慣れの問題もあると思うが、最初戸惑うポイントとなるだろう。
開放感は確かに高い。耳を挟み込んでいる部分に圧迫感は若干感じるものの、長時間つけていても耳が痛くなるということはなかった。音質に関しては、軽さを感じるものの、繊細さも感じるような音で、少しドラムの聞こえ方にクセがある印象。
まずは有線での展開となるが、ワイヤレスの展開にも期待したいところだ。
今後の製品に関しては、音楽を核としてファッションやヘルス、ライフ、エンターテインメントなど、様々なカテゴリに他社と連携しながら進出していく計画だという。
今後は国内だけでなく、海外にも展開していく考えで、アメリカを皮切りにアジアに展開していきたいとのことだ。