ANA、日常でマイルを貯めて使えるECモール「ANA Mall」をオープン ー 23ショップが出店

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ANAグループのANA Xは、同社初となるECモール「ANA Mall(エイエヌエーモール)」を1月31日にオープンした。
オープン時にはANAグループのECサイトを含む23ショップが出店し、1年目の流通額として100億円を見込む。

ANAはコロナ禍に経営環境が大きく変化する中で、非航空事業を新たな収益の柱とするべく、日常でもマイルを貯める・使う機会を拡充する「マイルで生活できる世界」の実現に向け、ANA電気、ANA Pocket、ANAリサーチなどの新たなサービスを展開してきた。2022年10月には「ANAマイレージクラブアプリ」をANAグループの各種サービスへの入口となるゲートアプリへのリニューアルも実施している。
そして今回、日常でもマイルを貯める・使う機会のさらなる創出をするべく、同社初となるECモールを新たに立ち上げる。

「ANA Mall」は、“旅と日常がつながるECモール”をコンセプトに、ANAが運営する5つの直営ECを集約するほか、食品・家電・家具などを扱う様々な企業が出店し、日常のお買い物ができる場として運営していく。
モール内の全ての店舗で、100円につき1マイル(ANAカードの場合は2マイル)が貯まり、貯めたマイルは1マイル1円として利用することが可能。

オープン時には全23ショップが出店。dinos、成城石井、ECカレント、ツインバードのほか、モール初出店となる高島屋やハースト婦人画報社も名を連ねる。購入した商品は、出店店舗により直接配送される形だ。
現時点での取扱商品数は20万SKUを超えているが、2023年中に100ショップの出店を目指し、さらなる商品の拡充を狙う。

会員の約半数が世帯年収1,000万円超のモール

ANA Mallの強みとしては、約3,800万人のANAマイレージクラブ会員を有しており、その半数が世帯年収1,000万円以上という特徴がある。
実際に、通常のECサイトの平均客単価が2,000円〜3,000円と言われるところ、ANAグループのECサイトの平均客単価は1万円を超えているという。

マイレージの使い道として現在圧倒的な割合を占めるのが「ANA国内線特典航空券」との交換だが、「もう飛行機に乗る予定がない」「交換に必要なマイルに達していない」などの理由で、余ったマイルの使い道として期待ができる一方で、特典航空券と交換するためのマイルを貯めるためにモールを利用するといった購入動機も出てくることが期待される。

ANAグループは、これまでも直営ECサイトとして「ANAショッピング A-style」をはじめとした5つのECサイトを運営してきたが、これまでの課題として集客の問題があったという。各ECサイトが個別にマーケティング活動をすることによって、集客導線がバラバラになってしまっていた。
また、取扱商品数という面でもこれまでは質と量ともに足りていなかったとしており、ANAモールを開設することで集客力を向上させるとともに、取扱商品の大幅な拡充を狙い、顧客がさらにマイレージを活用しやすい環境を整える。

現在、ANAグループのECサイトの流通額はおよそ80億円だが、ANA Mallの1年目は年間100億円の流通規模を見込んでいる。
春にはモバイル決済サービス「ANA Pay」を刷新し、チャージや支払い手段の大幅な拡充により、さらにマイルを通貨のように使える環境を整える予定。これから日常での存在感をいかに示していくのかに注目していきたい。


ANA Mall(エイエヌエーモール)
https://anamall.ana.co.jp/

イイヅカ アキラ
ST編集長。Web制作会社にデザイナー、ディレクターとして従事後、フリーを経て、現在は株式会社プレイドに所属。

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