クックパッドマートが提供エリアを大幅に縮小 ー 事業モデルの転換へ

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クックパッドが展開する生鮮食品EC「クックパッドマート」が、8月から提供エリアを大幅に縮小した。
受け取り場所を示したマップを確認すると、現在は中央区・品川区・目黒区・横浜市が主な提供エリアとなっており、一都三県で幅広くサービスを提供していたところから大幅な縮小となっている。

背景には事業モデルの転換があるようだ。2023年に入ってから段階的にサービス内容の変更が行われており、4月には「自宅配送オプション」の廃止、5月には一都三県に200カ所以上設けていた配送拠点を4つの市場(豊洲、築地、千葉中央、川崎北部)に縮小、6月には商品の配送を週1回に縮小するなど、主に物流に関する点が変更されている。

「クックパッドマート」は、精肉店や鮮魚店などの専門店や地域の生産者が販売する“こだわり食材”を、1品から送料無料で注文できるサービスを提供しており、配送拠点でピックアップした商品をマンションやコンビニ、駅などのさまざまな場所に設置された「マートステーション」に届けている。
利用者にとっては、注文の翌日には近所のマートステーションでこだわり食材を受け取れるサービスとして重宝されており、特に近隣に大きなスーパーがない利用者にとっては貴重な存在となっていた。

従来のクックパッドマートの仕組みは、利用者がアプリ上で希望の商品を注文すると、販売者や生産者が商品を共同集荷場へ納品、共同出荷場から配達用のトラックが商品をピックアップし、各マートステーションへと運ばれ、出荷日の正午には商品をピックアップできるというもの。販売者や生産屋の負担を軽減することで幅広い食材の提供を実現し、ユーザーがマートステーションに取りに行く形にすることで、配送の負担を軽減させていた。今回はこの仕組みの見直しに迫られたことが考えられる。

クックパッドに現状と今後の方針について確認したところ、「より良いサービスを目指し、クックパッドマートは現在変革期にあります。(今後のクックパッドマートに関して)お答えできる段階ではございませんが、リニューアル後のクックパッドマートにご期待いただければと存じます」とのことだった。

なお、クックパッドのサービスが終了したエリアの利用者に向けたお知らせでは、「今後サービスを継続するエリアにおいては、地域ごとの特色をもった、地域密着型のお買い物アプリへとリニューアルをしていく予定です」と記載されており、近隣から食材を届けることに特化したサービスになることが考えられる。

エリア縮小により、サービスの継続に不安の声もあがっているが、リニューアルを検討中とのことで、期待して待ちたい。

イイヅカ アキラ
ST編集長。Web制作会社にデザイナー、ディレクターとして従事後、フリーを経て、現在は株式会社プレイドに所属。

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