ソーシャルグッドマーケット「Kuradashi」を運営するクラダシが初の常設店をたまプラーザ駅直結の商業施設「たまプラーザ テラス」に2023年5月26日にオープンした。出店場所はゲートプラザ1階。
「Kuradashi」は、フードロス削減を目指し、まだ食べられるにも関わらず捨てられてしまう可能性のある商品をお得な値段で販売するソーシャルグッドマーケット。
賞味期限間近、季節限定商品、パッケージ変更や少しの傷などを理由に、通常の流通ルートでは販売が困難な商品を協賛価格で買い取り、最大97%オフで会員に販売している。
オンラインをメインにサービスを提供しているが、2022年から様々な商業施設で期間限定のポップアップストアを展開しており、今回初の常設店のオープンとなる。
2022年には、東急モールズデベロップメントが運営する商業施設で7回のポップアップストアを展開しており、延べ62日間で販売点数5万点超の実績を残した。その中でも特に反響の良かった「たまプラーザテラス」に今回常設店をオープンするに至った。
フードロスの危機にある商品を平均40%オフで販売
「Kuradashi たまプラーザ テラス店」でも、賞味期限間近や季節限定商品などを理由に廃棄されてしまう恐れのある商品をお得な値段で販売。オンラインストアではまとめ売りが基本だが、この店舗では1点単位で購入可能。より気軽にフードロス削減に貢献できるショップとなっている。
お店の顔となる部分には、フードロス削減量や社会貢献度を示す数字を表示するモニターを設置。これは「たまプラーザ テラス店」のみの集計となっており、自分たちの買い物がどれだけロス削減につながっているかを確認できるものとなっている。データは毎日更新されるそうだ。
棚の左側には、オンラインで展開している定期便の展示も行っている。QRコードからすぐに申し込みが可能だ。
店内では様々なカテゴリの商品が並ぶ。全て1点単位で販売されており、平均で40%オフ程度の価格で購入できる。オープン時には最大72%オフの商品も並べられている。
店内の所々にフードロスになってしまう理由を記載したポップを用意。その理由を理解しながら買い物することができる。
ポップアップストアでは展開が難しかった冷蔵・冷凍食品のコーナーを設けられている。
ポップアップストアでは、ティーバッグなどの売れ行きが良かったという。まとめ買いだと使いきれないが、単品であれば買いやすいといったことが背景にあるようだ。
常設店ならではの取り組みとして、青葉区の農家で生産された野菜の販売も行っている。都市型農業のPRにつなげるとともに、今後は不揃いや規格外の野菜が出たときに販売できる場にしていきたいとのこと。
店内の右側には、サステナブルな商品や企業を紹介するコラボレーションブースを設置。協賛しているパートナー企業の商品の魅力を紹介していく。
購入金額の一部は社会貢献活動の支援に充てられる
オンラインと同様に、この店舗でも購入金額の一部が社会貢献活動の支援に充てられる。購入者が支援先を選べる仕組みとなっており、商品を購入すると1つのボタンが手渡される。自分が応援したい支援先にボタンを入れる形だ。あえてアナログな仕組みにすることで、積み上がっていく様子を視覚的にわかりやすくしている。これらは比率に応じてそれぞれの支援先に分配されていく予定だ。
店舗では、家庭で余っている食品を回収し、必要としている場所に届けるフードドライブの取り組みも行う。回収した食品はフードバンクかながわに寄付されるとのことだ。
たまプラーザ テラスに初の常設店を開設するに至った背景
東急総合研究所が毎年行っているSDGsに関する意識調査では、東急線沿線の住民の意識は年々高まっており、全国調査よりも高い数値が示されている。
そうした背景の中、「たまプラーザ テラス」を運営する東急モールズデベロップメントとしても、「東急沿線を中心に事業を展開する会社として、地域の皆様に、より身近に気軽にSDGsに参加できる環境を提供すべく、さらにサステナブルな取り組みを加速していきたい」(代表取締役社長 佐々木氏)という考えがあり、これまでも「たまプラーザ テラス」では様々な取り組みを行ってきた。
行ってきた取り組みとしては、施設で働く従業員を対象に、賞味期限間近となった商品を販売する取り組みである「MOTTAINAIテラス」や、来訪客が不要になった衣料品を回収する「衣料品リユース・リサイクルプロジェクト」、ロスフラワーの活用といったものだ。こうした取り組みが評価され、神奈川県の商業施設として初となるエコマークも取得。5月10日には、サステナブルなまちづくりを推進するための「Tokyu Malls Development Sustainability Action」の本格始動も発表した。
クラダシもこれまで東急沿線の商業施設でポップアップストアを展開する中で、売上だけでなく来訪客からの反応の良さや背景を知ろうとしてくれる意識の高さも感じるところがあったという。双方がその取り組みに共感し、今回の出店につながっている。
今回の出店をきっかけに、「たまプラーザ テラス」では6月1日からの1ヶ月間、施設で初めて実施する環境月間イベント「Social Good Days」を開催する。環境問題に積極的に取り組む店舗やスポットを巡るスタンプラリーや、「AOZORA GREEN MARCHE」、クラダシとともにフードロスをテーマにしたトークショーも実施する。
東急モールズデベロップメント 執行役員の青木氏は「クラダシさんが出店することによって、スタンプラリーもその一つだが、出店する他の企業から『うちがやっていることと、一緒に取り組みができるのではないか』と言った声が多く寄せられるようになった。これまではなかなかテナントと一緒に取り組んでいくのが難しい面もあったが、こうした反応もあり、今後どんどん取り組みが大きくなっていくのではないかと期待している」とコメントしている。
Kuradashi たまプラーザ テラス店
所在地:神奈川県横浜市青葉区美しが丘 1-1-2 「たまプラーザ テラス」GATE PLAZA1F
営業時間:10:00~20:00
アクセス:東急田園都市線たまプラーザ駅直結