楽天グループは、公募増資および第三者割当増資により、最大で約3,321億円を調達することを発表した。公募増資のうち、国内が約1,453億円、海外が1,450億円で、第三者割当増資は418億を想定している。
第三者割当増資では、三木谷氏の関連会社である三木谷興産とスピリットの2社のほか、サイバーエージェントと東急に割り当てる。
モバイル事業による赤字が続く楽天、その要因として基地局整備などの多額の設備投資があるが、先日発表したKDDIとの新ローミング契約により、2023年〜2025年に予定していた設備投資を3,000億円削減。
これによりモバイル事業の損失が減少し、収益化の目処が立つことが見えてきたことから、モバイル事業の成長に必要な資金調達総額の見通しが立ち、新株式の発行による資金調達が最適な財務戦略と判断したとのことだ。
第三者割当に関しては、三木谷氏自身の関係者が株式を取得することで、楽天の中長期的な成長と株主価値向上に対するコミットメントの強化を図り、サイバーエージェントとは協業を通じてサービスの充実を図る予定で、広告媒体の営業強化やコンテンツの相互提供など想定している。東急とは2020年にデータマーケティングソリューションを提供する共同会社を設立し、オンラインとオフラインの垣根のない利便性の高いサービスを提供することを目指すとしている。なお、第三者割当の内訳は、三木谷興産とスピリットが約2,814万株ずつ、サイバーエージェントが約1,876万株、東急が約375万株となっている。
楽天は、このほかの財務活動として2023年4月に行った楽天銀行の上場、それに続き楽天証券ホールディングスの上場準備、西友の株式の売却などを進めている。
なお、公募価格は、2023年5月24日〜2023年5月29日の間に決定するとのことで、第三者割り当てに関しても国内一般募集の発行価格と同一にするとしている。