パルコは「PARCO ONLINE STORE」を「ONLINE PARCO(オンラインパルコ)」へと3月16日リニューアルオープンした。
あえて“STORE”という名称を外し、モノを買うだけではない、オンライン上で楽しめる場に進化させる狙いで、2023年度のECでの売上規模は前年の2倍を目標にする。
オンラインでも“PARCO”を楽しんでもらえる場に
これまで「リアル店舗の取扱高を補完する、ショップ販売員が活用するECサイト」として運用されてきたパルコのEC。これを“パルコの様々なコンテンツを時間や場所の制約なく楽しんで頂く場”と捉え直し、オンラインでもパルコを体現する場として進化させる。
パルコ CRM推進部の上岡氏は「従来の要素に加え、パルコ独自のコンテンツの魅力をお客様に伝えるECサイトにしていく。当社が拠点を持たないエリアでも新しさ、面白さ、独自性といったパルコの魅力をいままで以上に体験できる場にしていき、グローバル規模でのパルコファンを創っていきたい」と語る。

パルコ CRM推進部 部長 上岡靖弘氏
モノを売るだけには留まらない背景には、コロナ禍の課題対応における学びがあった。
パルコ 執行役員の林氏は、「コロナ禍における課題対応と挑戦を通じて多くの学びがあった。1つ目は『ショッピングセンターとしてECサイトを持つ重要性』だ。長期間にわたり全館休業を余儀なくされる中で、フルパワーではないにしろECサイトで営業ができたことでその重要性を再認識できた。2つ目は『アートやアートカルチャーの分野で大きく取扱高を伸ばせたこと』だ。コロナ禍に行動制限が長く続き、集客力や取扱高の伸長にも影響が出たが、その中でもアニメやアートカルチャーといった分野では大きく取扱高を伸ばした。期間限定のイベントやポップアップストアという形で取り組んできたが、動員催事の分野では取扱高が1.7倍に伸びた。企画本数もコロナの前の1.5倍とし、ここを成長分野と捉えて取り組んでいる」とその背景を語る。

パルコ 執行役員 営業政策部 宣伝部 CRM 推進部担当 林謙一氏
今回のリニューアルでは、フロントデザインの変更から販売方法・決済方法の多様化により利用客にもショップにも使いやすいサイトに進化させつつ、“ファンづくり”の場として機能させるための改良が大きく反映されている。
これまで動員催事を行う目的は、少しでも多くパルコに足を運んでもらうことだったが、店舗に来なくても楽しめるような仕掛けをオンラインで実施していく。
越境ECへの強化という面では、海外向け代理購入サービス「Buyee」を導入した。ショップページから商品詳細ページまで多言語対応(英語・中国語・韓国語)するほか、1注文につき購入サポート手数料一律300円で利用できるサービスとなっている。2022年11月からのプレオープン期間で、アメリカ・イギリス・ドイツ・韓国・香港・台湾といった国々からの利用実績が日々拡大している状況だ。
日本でパルコを利用し帰国してからECサイトで再購入する、日本に来られない顧客がECサイト経由での商品購入といった流れを作る。
コロナ禍を通して、オンラインでの役割が引き上げられた形のリニューアルオープン。今後の仕掛けにも注目だ。
ONLINE PARCO(オンラインパルコ)
https://online.parco.jp/