株式会社カウシェが運営するシェア買いアプリ「カウシェ」は、新たに美容・コスメカテゴリーの取扱いを7月28日から開始した。
食品・日用品・家電に続く「美容・コスメカテゴリー」
「カウシェ」は、1人では買うことができないシェア買いアプリ。友達や家族などを誘って一緒に購入することで最大70%オフの割引価格で商品を購入できるサービスとなっている。
2020年9月にリリースしたアプリはダンロード数70万件を突破しており、その約7割を女性ユーザーが占める。特に30代〜40代の主婦の利用者が多く、地域は東京だけでなく全国に広がっているのが特徴だ。
食品カテゴリーからスタートしたカウシェは、これまでに日用品や家電カテゴリーを追加してきたが、今回新たに「美容・コスメカテゴリー」を追加した。コロナ禍により、リアル店舗に訪問する機会が減少したことで、インターネット上の口コミを参考にする人が増えていることから、親和性が高いと判断した。カテゴリー追加と同時に楽天市場などで「コスメリンク」を展開するよつば貿易などが出店する。
ソーシャルでの広がりを生み出すEC
欲しい商品を見つけたらSNSなどで友達や家族などのメンバーを招待して、時間内に必要な人数を集めたら取引成立。必要な人数が集まらなかったら購入はできないが、全額返金される仕組みでサービスを提供する「カウシェ」。
これまでは、お米や水、炭酸水などの日常に欠かせない食品や飲料をはじめ、自分へのご褒美になるようなスイーツなどが売れており、2022年1月に追加した「家電」に関しても加湿器などの季節性の高い商品を筆頭に一定数販売できる感触が得られているという。
通常は買った人の口コミを見て商品を検討することが多いと思うが、カウシェならではのポイントとして「これから買おうとしている人」の口コミを見て購入するという点がある。一緒に購入する人を募りたいユーザーが、工夫して呼びかけることが、ある種のプロモーションのように作用する。
また、一般的なECでは「目的買い」をすることが割合的には多いが、SNSで広がるカウシェは「偶発的な出会い」も誘う。
「SNS活用の有用性が高い事は認知しているが、どのようにアプローチすれば良いかわからなかった」といった事業者にとっては、広告とは違った、新しい層にリーチすることに期待が寄せられている。
元々と交流が活発なコミュニティで紹介されることで一気に広がった事例もある。2022年初頭にとあるベトナム人ユーザーが使いはじめ、ベトナム人が参加するFacebookのコミュニティで紹介されたことで一気に広がり、いまでは在留ベトナム人だけで6万人が利用するまでになっているという。これは「カウシェ」自体も予期していなかった広がりだったが、ユーザー向けに一部ベトナム語に翻訳したガイドをリリース。ベトナム人向けにみかんを1,000万円以上売り上げた事業者も出てきているという。
このように、様々なコミュニティが起点となり、広がりを見せていくのが「カウシェ」の魅力となっている。
通常は自分を含めて2人以上の購入者が集まれば成立する仕組みだが、今年の2月から「大人数シェア買い」というタイムセールも実施されており、成立に必要な人数が多い代わりに、大きな値引きで販売するイベントとなっている。最近では炭酸水の販売で2,000人が集まった事例がある。シェア買いの醍醐味とも言えるこのイベントは現在不定期で開催されているが、今後増やしていく計画だ。
信頼性のあるソーシャルコマースの実現への取り組み
「カウシェ」は出店するのに初期費用・月額固定費はかからず、取引成立時にのみ10%の販売手数料と決済手数料が発生するモデル。
出店企業の審査に関しては、営業チームとは切り離した審査専用チームを設け、独自の基準で厳しく審査しているという。「お客さまに対する信頼の担保をし続けることがソーシャルコマースをやっていくうえで重要。安かろう悪かろうなサービスは日本では厳しいと考えている」(取締役COO 前本氏)
サービスの質という面でも、カスタマーサポートに力を入れている。24時間以内に返信をすることを目標とし、その返信に関しても一発解決を目指しての対応を続けているとのことだ。また、審査に通った事業者は自由に商品を出品できる仕組みになっているため、問題のある商品が出品されていないかのパトロールも徹底している。
今後について、取締役COOの前本航太氏は以下のようにコメントしている。
「コスメに続くものとしては、キッチン用品、日用品、ベビー用品など、普段から購入頻度の高いカテゴリからしっかりと揃えていき、最終的には全カテゴリを開放する計画です。
『オンラインでの楽しい買い物体験」をどのように実現していくかというのが我々のサービスの肝になっていくと考えているので、オフラインで体験するような、場の賑わいや人とのコミュニケーションで感じる楽しい買い物体験をオンラインに持ってくるべく、アプリ内でのソーシャル要素を充実させていきたいと考えています。
ユーザー同士の交流だけでなく、事業者とユーザーの双方の交流ができるようにするなど、オンラインでも人の温かみが感じられるような体験を提供するべくチャレンジしていきます」
効率性が重視されがちな現代において、「楽しさ」を実現するECを目指す。
カウシェ
https://kauche.com/