スターバックス コーヒー ジャパン株式会社は、廃棄物削減に向けた取り組みとして、繰り返し使える貸出カップでドリンクを提供し、再利用する循環型プログラムの実証実験を11月22日より開始した。東京・丸の内エリアのスターバックス10店舗で5月31日まで実施する予定。
廃棄物と二酸化炭素削減につながる取り組みに
スターバックスは、リソースポジティブカンパニーを目指すため、2030年までに二酸化炭素・廃棄物・水をそれぞれ50%削減するという目標を掲げている。今回のプロジェクトは廃棄物と二酸化炭素の削減につながる取り組みとなる。
新たに開始する循環型プログラムは、繰り返し使えるカップを「借りて・返して・再利用」するもので、容器のリユースサービス「Re&Go(リーアンドゴー)」を活用して実施する。これにより使い捨てカップ使用量の削減と、それによる二酸化炭素排出量の削減を見込む。
「Re&Go」は、NISSHA株式会社とNECソリューションイノベータ株式会社が提供するサービスで、使い捨て容器の削減を目指した取り組みとなる。2020年12月から沖縄で3ヶ月弱の実証実験を行っていた。
利用する手順は、「Re&Goのアカウントをお友だち登録し、“お店を探す”で店舗を検索」「対象のスターバックス店舗で注文時にカップを借りることを伝える」「Re&Go LINEアカウントの“容器を借りる”をタップして、専用カップに付属されたQRコードを読み取る」「通常の注文時と同様にドリンクを受け取る」「飲み終わったら対象店舗に用意された返却スポットでQRコードを読み込み、返却して完了」という流れ。
飲み終わった後のカップは洗わずにそのまま返却してOK。返却場所は借りた店舗でなくても対象店舗ならどこでも良いとのこと。
原則的に利用したら都度返却し、新しいカップを借りる形となる。返却されたカップは、高度な洗浄技術を持つパートナー企業によって行われ、一般的なレストランで扱う容器よりも衛生的に使用できるものになっているという。
リユースを促進する新たな選択肢に
スターバックスは、タンブラーを持参することで22円値引きするサービスによりマインタンブラーの利用促進を行ってきたほか、洗って繰り返し利用できる樹脂製のリユーザブルカップを2020年2月から全店舗で販売している。
マイタンブラーは年間700万本ほど利用されているとのことだが、今回はさらなるリユースの促進のためトライアルを実施することで、顧客のニーズや最適なオペレーションを探りカップをリユースするスタイルの理想的なあり方を模索していくとしている。
実際に利用してみたが、会計時にQRコードを読み込む手間が増える程度で、とてもスムーズに利用できるものだった。カップも蓋をつけたまま飲むことができ、保冷・保温性能もあるため、機能性が劣るということもなさそうだった。
マイタンブラーの場合、職場で洗う場所がなかったり、持参するのを忘れたりと、使う意思があっても使えなかったり、使いづらいケースもある。今回のプロジェクトは、リユースする機会への敷居をさげ、新たな選択肢となる可能性がありそうだ。