食材宅配サービスを展開するオイシックスドット大地は、NTTドコモと資本業務提携を実施するほか、NTTドコモ子会社のらでぃっしゅぼーやの全株式を取得し、完全子会社化することを発表した。株式の取得価額は10億円で、2月28日に譲渡される予定だ。
また、ドコモとオイシックスドット大地が協業し、ミールキット専用のECサイトも年内に立ち上げることも明らかにしている。
自然派食品宅配市場における圧倒的なシェアを持つグループに
2017年3月に食材宅配サービスを展開する「オイシックス」と「大地を守る会」が経営統合し誕生した、「オイシックスドット大地」。それまで自然派食品宅配市場においては、「らでぃっしゅぼーや」が売上高においてトップを走っていたが、2社の統合によりオイシックスドット大地がトップに躍り出たこともまだ記憶に新しい。
それから約1年、オイシックスドット大地はらでぃっしゅぼーやを傘下におさめ、自然派食品宅配市場において圧倒的なシェアをもつグループが誕生することとなった。両社を合計すると550億円を超える売上規模となる。
また、オイシックスドット大地約2,700人、らでぃっしゅぼーや約2,400人を合計し、約5,100人の農産者ネットワークを保有することになるという。
らでぃっしゅぼーやは1988年に有機・低農薬野菜の会員制宅配事業で創業。2008年にジャスダックに上場したが、2012年3月にNTTドコモが約75%の株式を約52億円で取得し子会社化したのち、同年8月に完全子会社となっていた。(同年上場廃止)
同社は2016年2月期の決算で、売上高約223億円に対し約13億の損失を計上し、収益性が急激に悪化。2017年2月期には売上高約197億円に対し900万円の利益を計上したものの、2018年2月期の第3四半期時点では売上高約141億円に対し約5億円の損失を計上しており、今期も赤字となる見通しで厳しい状況が続いていた。
3月1日よりらでぃっしゅぼーやの代表取締役社長には、オイシックスドット大地の代表取締役社長である高島宏平氏が就任する予定で、当面はオイシックスドット大地の子会社として、調達・購買・デジタルマーケティングなどの面でシナジーを創出していくことで、収益性の改善を目指す考え。
オイシックスドット大地は、ドコモを引受先とする第三者割当増資(3%相当)を実施し、資本業務提携を締結する。両社協業により、ミールキット専用のECサイトを年内を目処に立ち上げる計画で、オイシックスのノウハウとドコモのABCクッキングスタジオやdグルメなどで培った食関連サービスのノウハウも活用していく予定だ。
ミールキットは、必要量の食材とレシピをセットにして販売するサービス。オイシックスはミールキット「Kit Oisix」を2013年7月より提供を開始。2017年12月にはシリーズ累計出荷数が800万食を超え、3年前の同月と比較して約18倍に成長している。同社では今後も市場の拡大を見込んでいるとのこと。