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アスクル、「ASKUL Logi PARK 首都圏」の火災で損害額を101億円計上

アスクルは、2017年2月16日に発生した物流センター「ASKUL Logi PARK 首都圏」(埼玉県入間郡)の火災による損害額を特別損失として、2017年第3四半期の決算に計上したことを発表した。
計上した損害額は101億4,500万円。被害による保険金はまだ未定のため、第3四半期では計上されていないが、火災保険と運送保険により最大46億ほどを見込んでいるとのこと。

出荷能力が火災発生前に戻せるのは9月末、新センター立ち上げで対応

「ASKUL Logi PARK 首都圏」は、2013年7月に稼働を開始した物流センターで、敷地面積は約5万平方メートルの地上3階建の施設となる。土地に47億円、建物に113億円を投資して建設された。
運営はアスクルの完全子会社であるASKUL LOGISTが行なっている。2月16日時点では764名が就業しており、火災発生時には446名が就業中だった。
同施設は、アスクルが全国で運営する6つの物流センターのうち、全体の22%の物流を担っていた。しかし、BtoCである「LOHACO」だけで見れば62%の物流シェアを占めており、関東圏では多大な影響を及ぼす結果となった。
一方で、BtoBに関しては全体の物量シェア9%と小さく、他の施設でカバーすることができ、影響を比較的軽微に抑えることができた。
「LOHACO」に関しては、火災発生当日に関東圏からの注文をすべてストップし、前日までに注文のあった商品に関してはキャンセルするなどの対応を行なった。
同日中に「ASKUL Logi PARK 横浜」からの代替出荷を開始し、注文受付を再開したが、商品数を大幅に減らしての対応となった。
現在商品数は徐々に回復しているものの、出荷能力は半分も回復していない現状があるようだ。火災発生前の水準に戻せるのは9月末までかかる見通しとのこと。
なお計上した損害額の内訳は以下の通り。

たな卸資産の滅失損・・・25億円
取得時簿価から算出した2階・3階の再構築分引当金・・・66億円
固定資産の滅失損ほか・・・7億円
従業員の休業補償ほか・・・1億円

埼玉県日高市に新物流センターを立ち上げ

今後「ASKUL Logi PARK 首都圏」に勤務していたスタッフの雇用継続と早期復旧を最優先に考え、新物流センターとして「アスクルバリューセンター日高」(埼玉県日高市)の立ち上げを計画している。追って「ASKUL Logi PARK 首都圏」の再構築の検討を開始する計画だ。
LOHACOの第3四半期の売上高は前年比39.6%増となる328億円だった。これまで順調に売上高を伸ばしていただけに、一刻も早く出荷能力を回復させたいところだ。

なお、ヤフーと共同で2月から実施している「ソフトバンクユーザーポイント10倍」の施策により、2月は新規利用客の増加が従来比で倍増するなどの効果が得られていたとのこと。水を差す形となってしまったが、キャンペーンは5月末までを予定しているため、こちらも早期に巻き返しを図りたいところだ。

イイヅカ アキラ
ST編集長。Web制作会社にデザイナー、ディレクターとして従事後、フリーを経て、現在は株式会社プレイドに所属。

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