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日本の食卓を変える?フランス発のスーパーマーケット「Bio c’ Bon」と「PICARD」が日本上陸 ー 麻布十番に複合店

フランス発のオーガニックスーパーマーケット「Bio c’ Bon(ビオセボン)」と冷凍食品専門スーパーマーケット「PICARD(ピカール)」の複合店が12月9日、麻布十番にオープンした。「ビオセボン」は日本初上陸の店舗、「ピカール」は11月に第1号店を青山骨董通りにオープンしているため、今回は2号店となる。いずれもイオンとの共同出資会社を設立したうえでの日本展開だ。
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フランスを中心に140店舗展開するオーガーニック専門スーパー「Bio c’ Bon」

「Bio c’ Bon」は、食品をはじめ日用品、コスメなどのオーガニック商品を専門に扱うスーパーマーケット。2008年にフランスで展開を開始し、現在はフランスを中心に、イタリアやスペイン、ベルギー、スイスで140店舗を展開している。(出店準備中も含む)
フランス語の店名には「ビオ=オーガニック(有機)」「セボン=おいしい、良い」という意味が込められており、オーガニックでありながら美味しい食品であることが「ビオセボン」の店頭に並ぶ商品の基準となっている。
「鮮度の良い生鮮食品」と「日常使いできるお求め安い価格」を強みとしており、売上の大半は生鮮食品が占める。海外は日本で6カ国目となる「ビオセボン」だが、生鮮食品に関しては、地元の農家から仕入れたものを多く扱っているのが特徴だ。
野菜コーナーでは旬の「有機JAS認証農産物」を中心の品揃えとっており、ひと目で産地がわかるようになっている。また、一つひとつの形が異なる野菜を感じてもらえるよう、量り売りの商品も数多く用意している。
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海外からは、ワインやチーズ、お菓子や調味料、化粧品などのフランス直輸入品を含む1,000種類以上のビオ認証商品を揃える。国内からは、お米や豆腐、こんにゃくやそばなどの日本ならではの商品や、牛乳・乳製品も取り扱っている。
店舗の中心に対面キッチンのデリコーナーを設置しており、できたての惣菜やサンドウィッチを提供し、その場で食べられるイートインコーナーも用意している。
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Bio c’ Bon創業者のティエリー・ブリソー氏は、「ビオセボンの顧客は健康志向に取り憑かれたような人ではなく、単に殺虫剤や防虫剤、着色料を使っていない食品を求めていらっしゃる方です。一般的な商品と比べるとオーガニックなものは若干割高となりますが、売れるボリュームが増えれば値段の差は縮まっていく。まだ十分ではありませんが、普通の値段で提供できるよう努力しています」とコメントしている。
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Bio c’ Bon社 創業者 ティエリー・ブリソー氏

プレミアム冷凍食品専門スーパーマーケット「ピカール」

「ピカール」は、独自の冷凍技術で、野菜や肉料理・魚介類からパン、デザートまで豊富に取り揃えたプレミアム冷凍食品を専門に扱うスーパーマーケット。フランスでは好きな食べ物ブランドで5年連続1位に輝くなど、食卓になくてはならない存在となっている。
現在はフランスを中心に、イタリア、ベルギー、スウェーデン、スイスで約1,000店舗を展開しており、日本は6カ国目となる。
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日本には11月23日に第1号店となる「Picard青山骨董通り店」を出店。麻布十番店は2号店となるが、実のところ「ピカール」というブランド自体は、2014年11月よりイオンやダイエーの店舗にコーナーを設けて2年ほど展開しており、その実績を元にした日本出店となる。(店舗展開に合わせイオン内の店名は「Petit Picard」に変更している)
先行した青山骨董通り店では、想定の3倍以上の売上を記録しており、その影響で12月2日のオープンを予定していた中目黒店は延期となっている。
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ピカール社のフィリップ・ダイエ社長は「私たちが提供する冷凍食品は、非常にバラエティに富んでおり、健康にも良く、大変扱いやすく利便性の高いものとなっています。調理時間も1分から5分と非常に早くシンプルで、お一人の方でも家族の方でも消費しやすいですし、様々なライフスタイルのリズムに合うものだと考えています。」と特徴を述べたうえで、「いまこのタイミングこそ、プレミアム冷凍食品が参入できるタイミングであり、余地があると(イオンと)双方で判断した」とコメントしている。
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Picard Surgelés S.A.S社 社長 フィリップ・ダイエ氏

同社の製品は最新の瞬間冷凍技術によって最高の状態で提供しており、「どんなお客様でも好みのものが選べる」という豊富なラインナップは200種類を超え、そのほかにも食品の安全性や、店舗で提供するサービス(調理方法や要望からおすすめの商品を提案)などが強みだという。
安全性という面では、品質管理規則を遵守できているかの検証を年間5万5,000回以上行うほどの徹底ぶりだ。
イオン代表の岡田氏は、「日本の食は質が高くて安全だと特に近年言われていますが、実態は大きく違うのではないかと思っています。そういうことに対するイオンとしての答えを2社と一緒に出していきたい」とコメントしており、新しい日本における食の市場を開拓していく意気込みだ。
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左から、ピカール フィリップ・ダイエ氏、イオン 代表執行役社長 岡田氏、ビオセボン ティエリー・ブリソー氏

今回日本に上陸した2つのブランドは、いずれも日本にはないコンセプトを持っているように見える。日本の食卓において、美味しいオーガニック食品を日常的なものにし、冷凍食品を豪華なものに変える。そんなポテンシャルがあるのかもしれない。

イイヅカ アキラ
ST編集長。Web制作会社にデザイナー、ディレクターとして従事後、フリーを経て、現在は株式会社プレイドに所属。

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