Amazon.co.jpは11月15日、注文から1時間以内に配送するプライム会員向けサービス「Prime Now(プライム・ナウ)」の対象エリアを拡大し、東京23区全区(一部地域を除く)で利用できるようになった。
対応するすべてのエリアで1時間以内の配送を保証する「Prime Now」。国内でのサービス開始から1年足らずで23区の大部分で利用できるようになり、驚異的な速度で拡大している。
エリアを広げる上で豊島区に「Prime Now」の新物流拠点をオープン。国内で5拠点目、東京で3拠点目となる倉庫がメディア向けに公開されたので、その様子を紹介する。
新倉庫の中身をレポート
最大6万5,000アイテムを揃える「Prime Now」。新倉庫の取り扱いアイテム数などは明かされなかったが、思ったよりもコンパクトな建物だった。アイテム数は対応する倉庫数ごとに異なり、地域特性を加味した商品が置かれている。
実際に商品が格納されているエリア。棚には隙間なく商品が詰め込まれている。
棚ごとにある程度のカテゴリ分けがされていたが、どちらかというと大きさで分類されているようだった。
一つ一つの棚を見てみると実に様々な商品が格納されている。見つけるのが困難なように思えるが、棚ごとに設けられた住所で商品の位置がすぐに把握できるようになっている。(写真では消しているが、棚ごとに番号とQRコードが割り当てられている)
新しく入荷した商品は、空いているスペースにどんどん投入される。あえて同じ商品を一箇所に固めないようにしており、人気商品のある棚に従業員が集まってしまうようなことがないように配慮されている。これも1時間配送を実現するための工夫の一つだ。
ビールなどの酒類も多く扱っている。当初は1本売りが多かったが、6本パックなどをまとめ買いする人の方が多かったため、セット販売を増やしている。
セットの方が価格が安いという理由もあるだろうが、最低注文価格が2,500円からという面も影響しているのかもしれない。
たまごや牛乳などの賞味期限が短い冷蔵品も扱っている。筆者も朝食用の牛乳がないことに前日の夜に気がづいて、何度かお世話になっている。朝6時から届けてくれるので、朝食にも間にあってしまうのが嬉しい。
冷凍食品も扱っている。現状「Prime Now」では弁当などの取り扱いはなく、いわゆるランチデリバリーは行っていないが、冷凍食品で済ませてしまうという選択肢ならある。
ピックアップした商品を詰めた袋は入り口付近の棚に置かれ、配送担当に引き継がれる。青い袋が冷蔵・冷凍食品に対応したもので、冷えた状態で届けてもらうことができる。
あとは配達員が車に荷物を積み込み、注文者の元まで届けられる。国内では車やバイクを使って配送されているようだ。
「Prime Now」のサービス提供エリアは、すべて1時間以内に配送できる範囲のみ。それだけに、エリアを広げていくためには倉庫の開設が必須となるが、コンパクトな倉庫でサービス開始時よりも3.5倍のアイテムを扱えるようになっている点は、ノウハウがどんどん蓄積されている証と言えるだろう。今後も続々と倉庫が開設され、提供エリアが拡大されることが期待できそうだ。