セブン&アイ・ホールディングスは、完全子会社であるセブン&アイ・ネットメディアとの株式交換によりニッセンホールディングスを完全子会社化することを発表した。
ニッセンホールディングスは10月27日付で上場廃止、11月1日付で完全子会社となる予定。ニッセンホールディングスの株主には、セブン&アイ・ホールディングスの普通株式を対価として割り当てるとのこと。
ニッセンは今期中に債務超過となる状況
ニッセンホールディングスは、主力のニッセンに置いて、製造小売企業やネット通販事業者などの競合増加による競争の激化、人件費などのコストの増加、為替の影響などにより、カタログ通販事業の収益悪化が進展し、2015年12月期には当期純損失133億2,400万円の大幅赤字を計上した。
この状況は2016年12月期に入っても変わらず、第1四半期は純損失が25億4,200万円、本日発表された第2四半期においても純損失46億2,300万円を計上した。
さらに、第2四半期の連結財政状態においては、ニッセンホールディングスグループの純資産が6,900万円となり、今期中に債務超過となる見込みであるほか、8月上旬には資金繰りに重大なリスクが生じる可能性も出てきている状況となった。
ニッセンホールディングスは、財政面での債務超過リスク、銀行や取引先からの与信低下、資金繰りリスクなどに対して、単独での対処は実質的に困難であると判断し、セブン&アイ・ネットメディアの完全子会社となることを前提に、セブン&アイ・ホールディングスに対して財務・事業の両面での経営支援を6月初めに求めたことで、今回の完全子会社化に至った。
今後は、ニッセンのアパレル通販事業における競争優位な事業領域(特殊サイズセグメント等)への経営資源の重点シフト、グループ企業間のクロスセルやプロモーションによる相互送客の推進、グループのスケールメリットを活かした商品調達・商品開発等によるグループシナジー効果を追求した効率的経営を行っていく方針。
また、ニッセンの持つ3千万人規模の顧客基盤、アパレル SPA(製造小売)のモノづくり機能、通販ビジネスのインフラを始めとした経営資源・リソースを、オムニチャネル戦略などのセブン&アイグループの戦略の中で活用していくとのこと。