米eBayは、チケット売買仲介サイト「Ticketbis(チケットビス)」を買収することを発表した。買収額は非公開。
eBay傘下の「StubHub(スタブハブ)」のグローバル展開を強化する狙い。
ヨーロッパと中南米でシェアを持つ「Ticketbis」
「Ticketbis」は、2010年にスペインで誕生したチケット売買仲介サイトで、南ヨーロッパと中南米を中心に、47ヵ国で展開している。2014年の売上高は全世界で5,400万ユーロ(約71億円)、営業利益は1,400万ユーロ(約18.4億円)だった。
2015年3月に発表した地域別売上では、ヨーロッパが50%を占め、中南米が40%、アジアが10%だった。日本には2014年10月に本格的に進出しており、アジアでは日本が最も売上をあげている。
eBayが傘下に持つ「StubHub」は、米国で2000年にサービスを開始したチケット売買仲介サイト。米国では最大手となる。米国外ではドイツ、イギリス、メキシコでサービスを展開するほか、日本でもチケットストリートと資本業務提携のうえ、日本に向けて海外のチケットを販売している。
今回の買収は、ヨーロッパと中南米でシェアを持つ「Ticketbis」を「StubHub」の傘下にすることで、グローバル展開を推し進める狙いがある。
イーベイCEOのデヴィン・ウェニ氏は「チケットビスの買収は、ビジネス面では、スタブハブのグローバルにおけるプレゼンスを急激に高めることになります。今後も、イーベイのグローバルにおける認知がスタブハブの顧客獲得へ繋がると考えております。また、今回の買収により、イーベイはスタブハブへの注力を続けていくことを再度明確にするものでもあります。」とコメントしている。
「Ticketbis」は、日本人が海外のチケットを購入する際に利用されるほか、日本のチケットを海外に向けて販売できる場としても利用されており、FC東京や北海道日本ファイターズの公認チケットを販売するなど1次流通の役割も担っている。今回の買収は日本での展開にも影響がありそうだ。買収手続きの完了は夏頃を予定している。