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ハンドメイド作家のアジアへの架け橋に ー Pinkoiがiichiと資本業務提携、日本に本格展開

ハンドメイドマーケット「iichi(いいち)」を展開するiichiは、アジア最大級のデザイナーズマーケットを展開する「Pinkoi(ピンコイ)」を展開するPinkoiと資本業務提携したことを発表した。
iichiはPinkoiを引受先とする第三者割当増資を実施。筆頭株主として迎え、Pinkoiグループの一員となる。
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オリジナルデザインのマーケットプレイス

「Pinkoi」は、台湾発のデザイナーズマーケット。アジアを中心に世界中のデザイナーの作品を購入することができるマーケットプレイスだ。
ファッション・アクセサリー・インテリアなど、オリジナルデザインの様々作品が販売されており、ハンドメイド作品だけでなく、工場で製造したものも販売できるほか、正規なルートでの代理販売も認められている。現在は50万点以上が出品されており、会員数は100万人で、登録デザイナーは2万5千人を超える。
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販売されている作品を見ると商品の質が高いことに気づくが、これは出店が審査制となっていることに理由がある。日本では自由に出品できるマーケットプレイスが多いこともあり、ここはひとつの特徴と言えるだろう。ちなみに販売手数料は10%となっている。
「デザイナーのためのグローバルなマーケットプレイスを通じて、多くの人により良いデザインを提供する」という理念のもと、2011年に台湾でサービスを開始しており、当初からグローバル展開を視野に入れていた。現在は5言語12通貨でサービスを提供しており、77カ国での取引実績を持つ。
「Pinkoi」はこの提携にあわせ、海外展開を強化することを発表している。香港・米国・中国・日本・タイを中心に2016年の海外取引を倍にする計画だ。
すでに、過去6ヶ月で新たに登録したデザイナーは50%が海外の利用者で、そのうち6割が香港・日本・タイからのもので、この3国が海外取引全体の70%を占めている。
CEOのピーター・イェン氏は「今年は、国境を超えたECプラットフォームを構築していき、国際的マーケットへの進展に注力していく」と述べている。

iichiは今後も継続、Pinkoiをアジアへの架け橋に

ハンドメイドマーケット「iichi」は「Pinkoi」に統合されるのではなく、今後も変わらず運営を続ける。
現在は2万人の作家が登録しているが、販売単価は5千円〜6千円と他サービスと比べると高い水準にあり、独特なマーケットとを築き上げている。それでもプロの作家を中心とした質が評価され、このコミュニティを気に入ってくれた作家や利用客が集まっているため、今後も世界観を崩さずに運営していく方針だ。
今回の提携に関しては、作家にとって海外に新たな販路を獲得することにつながる。実は「iichi」は2011年から海外版も展開しているが、利用者は数千人にとどまり苦戦している状況だ。「iichi」としては、今後は海外に展開せず、登録作家が海外へ販路を広げるためのサポートを「Pinkoi」を通じて行っていく。これは作家が市場を広げるための最良の手段といえるかもしれない。
「Pinkoi」は、海外利用客とのやり取りの際に、間に入ってサポートも行うなど、グローバルでのやり取りを想定した様々なサービスも提供している。iichiのスタッフによるサポートもあるとあって、その面は安心できるポイントとなりそうだ。
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左から、CPO リン氏、CEO イェン氏、飯沼健太郎氏、CTO マイク・リー
iichi代表の飯沼健太郎氏は、Pinkoiの取締役とPinkoi Japanの代表に就任している。iichiとPinkoi Japanはすでに1つのチームのような形で活動を開始しており、iichiのメンバーは「Pinkoi」の国内でのローカライズの推進に取り組んでいる。


Pinkoi(ピンコイ)
http://jp.pinkoi.com/
iichi(いいち)
https://www.iichi.com/

イイヅカ アキラ
ST編集長。Web制作会社にデザイナー、ディレクターとして従事後、フリーを経て、現在は株式会社プレイドに所属。

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