オリジナルTシャツ作成サイト 「tmix」を運営するspice lifeは、クラウドファンディングの要素を取り入れたオリジナルTシャツの販売サイト「STEERS(ステアーズ)」の提供を3月3日から開始した。
やりたいことを実現するためにTシャツを販売する
「STEERS」は、自分でデザインしたオリジナルTシャツを販売することができるプラットフォームで、利用者はサイト上でオリジナルデザインのTシャツを作成し、すぐに販売を開始することができるサービスだ。
Tシャツが売れた後の制作・配送・決済・問合せ対応はすべて「STEERS」が代行するほか、在庫を抱える必要もないため、手間やリスクなく販売できる。
単純に「オリジナルTシャツを売る」というだけでなく、「やりたいことを実現するためにTシャツをつくる」というコンセプトのもと、クラウドファンディングの要素を取り入れているのがユニークなポイントだ。
クラウドファンディングのように資金集めを目的としたTシャツ販売が可能で、販売ページでTシャツを販売しようと思った理由や動機、目的などを伝え、共感や応援の気持ちからTシャツの購入を募ることができる。
Tシャツの販売期間も最大で1ヵ月間となっており、期間限定での販売が前提となっているのも特長のひとつとなっている。
目標枚数は自由に設定できるが、最低製品化の枚数は5枚となっており、5枚以上売れれば成立となり購入者に発送される仕組みだ。
Tシャツの原価は1,750円からで手数料は不要
Tシャツの販売価格は原価以上であれば自由に設定可能で、原価と販売価格の差額が販売者の収益となる。価格は1枚あたり100万円まで設定できる。
原価は選択したカラーや片面か両面かなどで異なるが、1,750円からとなる。ここにはTシャツ代・プリント代・送料・経費がすべて含まれており、かなり安く抑えられている。別途手数料が発生することもない。
デザインはウェブサイト上で作成することができ、手持ちの写真やイラストをアップロードして利用できるほか、「STEERS」が提供する453種類のイラスト素材や32種類のフォントを使ってデザインすることが可能だ。
Tシャツのタイプは「クールネックTシャツ」と「レディースTシャツ」の2種類で、それぞれ12色のカラーを選択できる。前面と裏面の両面にプリントすることができ、組み合わせによって原価は変動する。
購入したい人は、通常のECサイトと同様の流れで、サイズを選んで購入することできる。決済はクレジットカード決済のみが用意されている。
発送はプロジェクトの終了から5営業日以内に行われる。この時点で十分なスピード感と思うが、将来的には5枚以上売れた時点で発送を開始し、より早く購入者のものに届けられるようにしていきたいとのことだ。
よりシンプルなクラウドファンディング
まだ世に出ていないプロダクトやサービスなど、自分がやりたいことを掲げて共感してくれる人から資金を募るクラウドファンディング。
私自身もクラウドファンディングでプロジェクトを立ち上げた経験があるが、出資してもらった金額に応じたリターン設定の難しさや、成立したあとにリターンを発送する手間はなかなかのものだった。
私自身はウェブサービスを開発するための資金を募ったが、有料サービスでもなかったため、リターンとして提供できるものがなく、用意するのに苦労したことをよく覚えている。
実はオリジナルTシャツをリターンとして用意することも考えたが、プロジェクト成立後に発送先の住所とサイズを確認し、発送まで自分で行う必要があるため、リターンとしては設定しなかった経緯もある。
その点「STEERS」はTシャツに限定されていることからリターンに悩む必要もなく、成立後の手間もかからないため、より敷居が低くシンプルなクラウドファンディングサービスと言えそうだ。
プロジェクトを立ち上げる理由は基本的にどんなものでも良い。例えば、イベントを開催するための資金をそのイベント用のオリジナルTシャツを作ることで募るという使い方だ。当日はそのTシャツを着て来てもらえば、購入者とイベントとの距離もぐっと縮まる効果も得られそうだ。
すでにファンがいるコミュニティでも相性がいいだろう。サービス提供者やメディアなどが、定期的にオリジナルTシャツを販売して、運営資金を募ると使い方もある。ファンは期間限定で希少性の高いオリジナルTシャツを購入することができ、それが応援にもつながるというものだ。
もちろん、イラストレーターやフォトグラファー、ミュージシャンなどのアーティストがオリジナルアイテムを販売する場としても最適だ。特にミュージシャンはライブを開催するための資金を集めに使い、そのTシャツでライブに参加してもらうといったことが可能だ。
spice lifeは代表の吉川氏は「STEERSで、新しいチャンスを掴んでくれる人がどんどん現れて欲しい」と語る。購入者も満足しながら、販売者も過度な負担がなく資金を募れる仕組み。そんなサービスになっていけば様々な可能性が生まれていきそうだ。
STEERS(ステアーズ)
https://steers.jp/