国土交通省は、ドローン(無人航空機)を活用した宅配サービスを構想している「MIKAWAYA21」と共同で、徳島県那賀町にてドローンによる貨物輸送実験を2月24日に実施した。
国内で政府が取り組んだ事例としては初めてのことで、実験は無事成功している。
早期事業化が期待される過疎地で実験
国土交通省では、安全確保を前提としつつ、早期実現に向けた環境整備に取り組んでおり、今回は早期事業化が期待される過疎地での実験を行った、運搬時の貨物に与える衝撃度の計測や、地区住民への意識調査を行うなど、事業化に向けた課題の洗い出しを行い、必要な措置の検討や関係者の役割分担等の整理を進めることを目的とした。
実験の舞台となったのは、65歳以上の高齢者割合が45.5%となる徳島県那賀町。過疎化で商店が減り、自宅から1キロ圏内に商店がない高齢者が4割にのぼるという。
実験では、那賀町に住む80歳のおじいさんの自宅まで配送。おじいさんの要望により、食パン一斤と、250mlの牛乳パック、ゆで卵2個を配送。ご飯は家で炊けるが、パンは2〜3日置きに買いに行かなければならないことが注文の理由だったようだ。
ドローンでは高度約50メートルを500mほど飛行、約4分ほどで届けられた。
今回使用されたドローンは、最大積載量6kgのものだったが、上記の荷物で重量1.5kgほど。
雨により実験は2時間遅れとなったようだが、無事成功に終わった。
荷物を受け取ったおじいさんは「今80歳だけど、免許を返上するようになったらこういうサービスを利用したい」とコメント。
地域の方からは「この前足を痛めて2週間ほど外に買い物にいけなかった時がありとても困った。こんな風にドローンが庭先まで届けてくれたら本当に便利になるなあ。」といった声もあったという。
実験を行ったMIKAWAYA21は、現状の課題としては以下のことがあげている。
このため今回の実験は飛行するドローンは車で追跡して様子を確認したことや、周辺に住宅の無い農地で行いました。また天候に左右される点も課題です。
上記の理由からも法整備が必要な状況であることは明らかだが、事業化実現に向けて着実な一歩となりそうだ。
MIKAWAYA21
http://mikawaya21.com/