中国向け越境ECプラットフォーム「Wonderfull Platform」などを展開するInagoraは、中国大手投資会社Ventech Chinaや韬蕴資本、日本国内大手企業を引受先とする第三者割当増資を実施し、1,000万ドル(約12億円)を調達したことを発表した。
調達した資金は中国でのマーケティングの強化や物流拠点拡張への投資、日本企業へのサポートの強化にあてられる。
日本メーカーの製品を中国消費者に届けるプラットフォーム
Inagoraは、キングソフト代表の翁永飆氏と美容家の山本未奈子氏によって2014年12月に設立された企業で、日本メーカーと中国の消費者を結ぶ越境ECプラットフォーム「Wonderfull Platform」を展開するほか、日本の商品を中国の消費者に向けて販売する越境ECアプリ「豌豆公主(ワンドウ)」や、写真投稿SNSにショッピング機能を統合したショッピングアプリ「WONDERFULL(ワンダフル)」を提供している。
「Wonderfull Platform」は、日本メーカーが中国で販売する上で必要な、翻訳・物流・決済・マーケティング・顧客対応などの業務をすべて代行する越境ECプラットフォームで、日本の事業者は日本語の管理画面で商品登録や在庫管理、受注処理を行えるほか、商品も日本の倉庫に発送するだけで、中国の消費者に向けて販売することができる。
登録された商品は、同社が展開する「豌豆公主」に加え、「京東(JD.com)」や「美麗説HIGO」を通じて販売される。あらゆるニーズに対応するために「出店」「仕入れ」「独占販売」の3形態に対応する。
同社が展開する「豌豆公主」は、20代〜30代の富裕層の女性をターゲットに様々なカテゴリの商品を販売するアプリ。2015年8月のリリースから4ヶ月でユーザー数80万人を突破し、取扱商品数はSKUで3,000点を揃える。花畑牧場や源吉兆庵、uka、HACCI、Lumielinaなどの企業10社と中国での独占契約も結んだ。
11月11日の「独身の日」には、1日の注文数が5,000件と過去最高を記録し、2,500万円以上の売上を達成している。
今回調達資金は、中国国内でのマーケティング強化や、現在平和島にある物流センターの大幅な拡張のための設備投資、エンジニアや中国出店対応を行う越境ECコンサルタントの採用などに充てられる。
Inagora
http://inagora.com/