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楽天がID決済に本腰 ー 楽天会員が他サイトでも簡単に決済できる「楽天ID決済」をショッピングカートASP4社が導入

楽天株式会社は、楽天グループ以外のサイトでも楽天会員IDを用いた決済が可能になる「楽天ID決済」を、ショッピングカートASPを提供する4社に導入されることを発表した。
これにより、対応するショッピングカートASPは9社となり、10万以上のECサイトで「楽天ID決済」の導入が可能になっている。
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他サイトでも楽天IDでログインして簡単に決済

楽天のオープン戦略の1つとして位置づけられている「楽天ID決済」。2015年9月末時点で1億人を突破した楽天会員が、楽天グループ以外のサイトで、楽天会員IDを用いて決済することが可能になるサービスだ。
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楽天会員は、導入サイトでの決済時に楽天会員IDでログインするだけで簡単かつ安心に決済を行うことが可能になるほか、決済価格に対して1%の楽天スーパーポイントが貯まる特長がある。
PaypalやAmazonなどがID決済サービスを提供しているが、他サービスと比べた「楽天ID決済」の強みとしては、既存会員数の多さとポイントが貯まる点があげられる。

2015年1月からサービスに本腰

2008年10月に「楽天あんしん支払いサービス」としてサービスをスタートし、2014年に現在の「楽天ID決済」に名称変更した経緯があるが、サービスを開始してからすでに7年となるサービスである。
これまでにショップカートサービス5社と決済代行サービス3社と提携しているが、現在の契約件数は3,000件以上。契約数の推移を見ると、2015年3月頃から飛躍的に伸びているが、これは2015年1月から「楽天市場」の事業推進と「楽天ID決済」の事業推進を共同で進めていくこととなり、それが結果として現れている形となるようだ。
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導入企業の決済手数料は5%。そのうち1%が楽天スーパーポイントとして利用者に還元される形だ。

ショップカートASP大手が立て続けに導入

ショップカートASPでは、株式会社Eストアーが提供する「ショップサープ」に10月21日に導入された。2ヵ月ほどで1,500サイトから申込みがあり、同社としてもこれまでにない反響が得られているという。
それ以前には「おちゃのこネット」「e-shopsカート2」「eShop-doショッピングカート」「ジョイカート」などの比較的小規模なショップカート事業者のみの対応となっていたため、上記の「ショップサープ」を皮切りに、ショップカートASPの大手が立て続けに導入する形となる。
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2016年には、フューチャーショップが提供する「FutureShop2」、テモナが提供する「たまごリピート」、GMOメイクショップが提供する「MakeShop」、GMOペパボが提供する「カラーミーショップ」の4サービスに順次導入される。
「FutureShop2」は、1月6日に事前申込みを開始し、2月2日から提供開始。「たまごリピート」は、2月1日から申込みを開始し、3月から提供を開始する予定。「MakeShop」「カラーミーショップ」に関しては導入時期は未定だが、おそらく2016年春頃までに導入されるものと思われる。
「楽天ID決済」の流通総額は2015年第3四半期の時点で昨年と比較して、57%増加しているという。楽天が本腰をあげたということもあるが、ID決済サービスの需要が高まっていることも理由として間違いなくあるだろう。
今回発表時に登壇した、Eストアー、フューチャーショップ、テモナの3社が課題として口を揃えてあげたのが、「カゴ落ち」対策。カートに商品を入れてたにも関わらず購入せずに離脱してしまうケースに対して、障害を以下に減らすかという問題だ。
現在はスマートフォンでの購入率が5割を超える例が珍しくなく、スマートフォン上でいかに簡単に決済を完了できるかは、より重要なポイントとなっている。
Amazonも2015年5月にID決済サービス「Amazon ログイン&ペイメント」を開始し、好評だという。2016年は両社のID決済が一気に広がる1年となるかもしれない。
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上段左から楽天の鈴木壮弥氏、高橋理人氏、矢澤俊介氏
下段左からEストアーの細野純子氏、テモナの佐川隼人氏、フューチャーショップの星野裕子氏

楽天ID決済
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イイヅカ アキラ
ST編集長。Web制作会社にデザイナー、ディレクターとして従事後、フリーを経て、現在は株式会社プレイドに所属。

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