株式会社スタートトゥデイは、ファッションフリマアプリ「ZOZOフリマ(ゾゾフリマ)」の提供を12月15日より開始した。iPhoneとAndroid向けにそれぞれ提供する。
スタートトゥデイのグループ会社で「STORES.jp」を展開する株式会社ブラケットが企画・開発・運営を行う。
スタートトゥデイがいよいよフリマ市場に参入
スタートトゥデイは、2015年3月期通期の決算説明会でフリマ事業に参入することを明らかにしていたが、いよいよ「ZOZOフリマ」の提供を開始する。
様々な企業がフリマアプリに参入する中、「ZOZOTOWN」を展開するスタートトゥデイの参入は、最後の大物というべきインパクトとなりそうだ。
ブラケット代表の光本氏はこのタイミングでの参入に関して、「フリマアプリが出てきたのはこの2、3年。情報感度が高い方から使いはじめて、ようやく本当の意味での一般消費者も使い始めた段階にある。大きくこの領域に参入するには、最後であって一番最適なタイミングと考えている。」とコメントしている。
最短で数秒で出品が可能な手軽さを実現
「ZOZOフリマ」は、アパレルに特化し、個人間売買が自由に行えるフリマアプリだ。特徴としては、「ZOZOTOWN」や「WEAR」とのデータ連携により出品を簡単にした点がある。実際に試してみると、わずか数秒で出品を行えてしまうような手軽さだ。
この簡単さは、スタートトゥデイが持つデータを活用することにより実現している。「ZOZOTOWN」が持つ10年分のデータを大いに活用する形だ。
利用者は「ZOZOフリマ」と「ZOZOTOWN」や「WEAR」のIDと連携させることにより、「ZOZOTOWN」で過去に購入した商品や、「WEAR」でクローゼットに登録した商品を、一覧から選択して出品することが可能になるため、売りたい商品を選んでサイズを指定するだけで出品手続きが完了する形だ。
写真や商品データは「ZOZOTOWN」が持つデータが自動的に入るほか、価格も二次流通における市場データを元に最適な価格が自動的に入る。
金額が入る点に関しては、商品のデータベースを持っているからこそ実現できるポイントといえるだろう。金額を決めるのは以外に難しい作業でもあるため、ここを楽にした点も大きい。
価格の変更はもちろん、自分が撮影した写真を追加したり、データを修正して出品することも可能だ。
上記以外にも、ZOZOが持つデータベースから商品を検索して出品することができるほか、写真を撮影して出品することもできる。
手数料に関しては、売買が成立した場合のみ販売価格の10%が発生する形で、フリマアプリで一般的な両立となっている。
匿名で売買できる「あんしん配送」
出品した商品が売れた場合に、購入者に直接商品を送るのが基本的なやりとりとなるが、お互いの氏名や住所を知らせず匿名で取引できる「あんしん配送」も用意している。こちらは有料サービスとなるが、開始時にはキャンペーン期間中として全国一律500円の送料で利用することができる。出品者はヤマトに集荷を依頼して、商品を渡すだけで、発送の手続きが完了する。
「ZOZOフリマ」では、WEAR公式のファッションリーダーである「WEARISTA」による出品も積極的に呼びかけていく予定とのことだが、このサービスがあることで出品もしやすくなるだろう。
古着を売って新品を買う文化を形成する
「ZOZOフリマ」で商品が売れた場合の売上金は現金で受け取ることもできるが、ZOZOポイント受け取ることもできる。その場合は、現金よりも5%多く受け取れるため、よりお得に利用することが可能だ。
ZOZOポイントは、「ZOZOフリマ」内で使うことも可能だが、「ZOZOTOWN」で利用することもできる。その為、新しい服をどんどん着まわしたい人が「ZOZOフリマ」で売って、「ZOZOTOWN」で新品を買うといった使い方もできる。この辺りは、他のフリマアプリと違うポイントとなるだろう。
新品の写真が並ぶフリマアプリ
フリマアプリに関しては、出品する商品に使用する写真を「自分で撮影したもの」に限定しているケースが多い。購入者が商品の状態を確認して買うことができるなど、購入者側の視点にたったルール作りといえるかもしれない。
一方で「ZOZOフリマ」は、データベースにある商品であれば、「ZOZOフリマ」が用意した新品の写真だけで出品することができる。
これは「ZOZOフリマ」にとってもチャレンジだという。フリマアプリだけでなく、古着などのアパレルは実際の商品写真で撮影したものを販売するというのが一般的だ。それは「ZOZOUSED」も例外ではない。
「実際の状態を写真で確認できないと不安」といった懸念は大いに考えられるが、新品はいわば一番良い状態の商品であるため、「魅力的な写真から商品を選ぶことができる」という見方をすることもできる。
「いかに出品を増やし、いかに売れるマーケットを作るか」という観点で、この仕組みがうまく回るかどうかは、「ZOZOフリマ」の明暗を左右するポイントになるかもしれない。
「ZOZOTOWN」と「WEAR」を合わせると月間で2,000万人程度の利用者がいる。これは、比較的ファッションに興味のある属性にすでにリーチする手段を持っていることを意味する。
購買履歴やWEARでの利用データを把握しているので、どういった人がどういった商品を過去に買って持っているのか、どういったブランドを好んでいるのかというデータを持っていることになるため、これらを活かした商品提案なども行えそうだ。
フリマアプリは、アパレルの売買の割合が5割以上を占めるのが一般的だ。この分野に敏感な多くの顧客基盤を持つ「ZOZOフリマ」の登場により、この市場にどのような影響を及ぼすのか注目だ。
ZOZOフリマ(ゾゾフリマ)
http://zozo-f.jp/
フリマアプリ – ZOZOフリマ(ゾゾフリマ) ZOZOTOWNが運営するファッションフリマ
iPhone / Android
価格: 無料