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ソーシャルクローゼットアプリ「XZ」が1.4億円を調達 ー 新たな着回しに出会えるサービスを提供

ソーシャルクローゼットアプリ「XZ(クローゼット)」を提供する株式会社STANDING OVATIONは、gumiベンチャーズ、DBJキャピル、アイスタイルキャピタル、エンジェル投資家を引受先とする第三者割当増資を実施し、総額1.4億円を調達したことを発表した。
同社は、過去にSkyland Venturesから資金調達を行っており、今回で2度目の調達となる。今回調達した資金はアプリの開発・運営体制強化などに充てる。
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STANDING OVATION代表の荻田芳宏氏

新しい着回しと出会えるソーシャルクローゼットサービス

「XZ(クローゼット)」は、自分が持っているアイテムを登録して管理できるだけでなく、自分のアイテムと他のユーザーのアイテムを組み合わせて、コーディネートを作成することができるサービス。
他のユーザーが自分のアイテムを使ったコーディネートを作成すると通知が届くので、自分では気づかなかったような新しい着回しアイデアを発見することもできる。
他のユーザーのクローゼットを覗くことも可能で、センスのいいユーザーを見つけてフォローすることも可能だ。
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2014年9月に提供を開始しており、アプリのダウンロード数は5万件を突破した。これまでに登録されたアイテムは27万点、作成された着回しアイデアは5万5,000件を超える。登録が多いユーザーの場合は登録数が600アイテムにもなるという。
現在1日に登録されるアイテム数は平日で1,000件、土日になると2,000件まで増加する。利用者の平均年齢は25歳となっている。
代表の荻田氏は「フリマアプリの場合はいらなくなったアイテムが出品されているが、XZの場合は愛着があっていま活躍しているアイテムがアップされている。こういったサービスは他にはない。」とコメントしている。

新たにQ&Aやユーザーのランキングを導入

「(ユーザーが)まだまだ着回しアイデアと出会えていない、一部のユーザーだけの体験になってしまっている」(荻田氏)という現状があるなか、活性化を図るためのテコ入れを8月中旬に予定しているアプリのデップデートで行う。
具体的には、新たなコンテンツとして「Q&A」と「ユーザーのランキング」の提供を開始する。
「Q&A」では、自分が持っているアイテムの着回しアイデアを募集したり、作成したコーディネートに対して意見をもらったりすることができる場を提供し、自分の持っているアイテムを活用した着回しを積極的に募れる場を提供する。
「ユーザーのランキング」に関しては、「提案したコーディネートのLIKE数」や「クローゼットのフォロー数」をもとにしたランキングを確認できるようになる。将来的には、人気ユーザーをコーディネーターとして認定し、着回しアイデアを提案してくれるようなユーザーを増やしていく考えだ。
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今後はブランドとのデータ連携なども計画

今後の展開としては、リアル店舗と「XZ」のデータを連携することで、店舗が接客に活用できるようなソリューションの提供も検討している。
現状店舗は売れた商品がその後どうなっているかを知るすべがなく、そもそも着られているのか、何と組み合わされてるかも追えていない。「XZ」と連携することで、売れた商品が何と組み合わせてコーディネートされているのか、他にどんなアイテムを持っているのかを知ることができるようになり、そのデータを接客に活かしたり、店舗スタッフがユーザーに新たな着回しを提案できるような仕組みの構築を検討しているようだ。
ユーザーにとっては、自分が持っているアイテムとそのブランドのアイテムを積極的に提案してもらえれば、思わず購入してしまいたくなるような体験が生まれそうだ。
この他にも、まだ仕組みを検討している段階とのことだが、アイテムの登録率を高めるための施策として、登録したいアイテムを箱に詰めて送るだけで「XZ」が登録代行するサービスの準備も寺田倉庫と連携する形で進めている。例えば、衣替えのタイミングでしばらく着ない服を預けてもらい、あわせて登録してもらうといったこともアイデアとしてるようだ。
9月以降にはスマホ向けのウェブ版を展開するほか、ネイティブアドの提供も予定している。当面は広告ビジネスを展開しながらBtoBによるマネタイズを模索していく考えだ。
EC事業者にとっては、「XZで見つけたアイテムをそのまま購入できる仕組みはないのか」ということが気になるところだと思うが、この辺りに関しては一旦提供を取りやめたようだ。
これまで、ECサイトへの導線を張ったブランドアカウントの展開や個人間で売買をできるような仕組みを検討してきたが、まだ売る段階にないと判断し、「XZ」の着回し提案コミュニティの活性化をまずは重視することにしたという。今後タイミングを見図らってレコメンドECを展開していきたいとのことだ。
これからの場の活性化を期待しつつ、消費行動の起点となるサービスになることも期待していきたい。


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イイヅカ アキラ
ST編集長。Web制作会社にデザイナー、ディレクターとして従事後、フリーを経て、現在は株式会社プレイドに所属。

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