ヤマト運輸株式会社と岩手県北自動車株式会社は、路線バスで宅急便を輸送する「貨客混載」を6月3日から開始した。
人と物を同時に運ぶ「貨客混載」が過疎地域などで解禁する動きがあり、路線バスの生産性の向上と物流の効率化を推進する。
路線バスの後部を荷台にした「ヒトものバス」
「貨客混載」を開始する路線バスは、岩手県盛岡市と宮古市を結ぶ「都市間路線バス」と宮古市内から同市重茂半島を結ぶ「一般路線バス」の2つの路線。
運行する路線バスは、一定量の宅急便を積めるように後部座席をを10席ほど減らし、荷台スペースにした特別仕様となっており、車両には「ヒトものバス」と名付けている。
これまでヤマトが大型トラックや集配車両で輸送していた区間を路線バスを利用する形で、開始時は1日1便での運行となる。
この路線バスでは、乗客を乗せる前にヤマトの盛岡西営業所で荷物を積み込み、乗客を降ろした後に「宮古営業所」で荷物を下ろすといった形で運用する。
今回の取り組みによって、バスの空きスペースを有効活用することによる生産性の向上が見込め、バス路線網の維持につながるだけでなく、ヤマトにとっても物流の効率化を実現することができる。
国土交通省は、過疎地域などで「貨客混載」を認めていく方針を示しており、今後はタクシーやトラックなどにおいても、解禁する方向で検討が進んでいる。