オンライン決済サービスを提供する米Stripeは、日本において招待制ベータ版での提供を開始することを発表した。年末に向けて、段階的なリリースを行っていく計画で、ウェブサイトで事前登録受付を開始している。
日本でサービスを開始するにあたり、三井住友カード株式会社と提携しており、国内での決済手数料に関しては一律3.6%で展開する。
TwitterやFacebookが採用するオンライン決済サービス
「Stripe」は、2011年9月に米国で開始したオンライン決済サービス。数行のコードでウェブサイトに決済機能を導入できる開発者向けのサービスだ。
TwitterやFacebookをはじめとして、世界最大のショップカートサービス「Shopify」や、クラウドファンディングサービス「Kickstarter」などに採用されており、年間数十億ドルの決済を処理している。現在は日本を含め20ヵ国で展開している。2014年6月にはアリババが展開するアリペイと提携したことでも話題になった。
カードのリチャージ、定期購入の処理、SMS認証、マーケットプレイスの機能強化などのあらゆるニーズに100以上の機能で対応しており,多くのサービスとの連携を実現するインテグレーションがあるのも魅力だ。
三井住友カードと提携、決済手数料は3.6%
日本でサービスを開始するにあたり、加盟店業務を行うアクワイアラーとして、三井住友カード株式会社と提携。まずは、VisaとMasterCardに対応し、今後JCBやAmerican Expressにも対応していく予定。売上金は「業界最短レベルの日数」で振り込まれるとしている。
米国では決済手数料2.9%+30セントで提供しているが、国内では3.6%で展開する。初期費用や月額費用は不要で、返金費用や通貨手数料なども一切かからない。定期購入の課金にも対応しているが、American Expressや国際クレジットカード、プリペイドカードを利用した場合に、追加費用は一切かからないとのことだ。
様々な情報を確認できるデジタル・ダッシュボード機能も用意しており、収益計算・チャージバック管理・銀行口座への入金確認といった事務処理の手間やコストも削減できるようにしている。
正式リリース時には130以上の通貨に対応する予定で、開発者側が自由に通貨を選択できるほか、利用者が通貨を選べるようなインターフェースを提供することも可能だ。国内における為替レートについては決まっていないようだが、米国では市場相場に加えて2%の手数料が発生する仕組みで提供している。
また、マーケットプレイスやオンラインストア構築サービスなどのニーズに対応する決済システム「Stripe Connect」を展開しており、日本国内でも利用可能になる。
これにより、導入したマーケットプレイスなどは、Stripeがサービスを展開する19カ国において決済サービスを展開することが可能になる。
Apple Payの決済パートナーでもある「Stripe」
StripeのCEOであるパトリック・コリソン氏は「過去数年において、日本でもスタートアップ企業が次々と生まれ、記録的な資金調達、株式上場(IPO)や買収を実現するなど、非常に有望な企業が現れています。Stripeでは、オンライン決済システムの提供を通じて、日本経済の未来を担うスタートアップ企業がグローバル市場でさらなる成長を遂げ、競争力を高めるサポートをしてまいります」とコメントしている。
「Stripe」は、Apple Payの決済プラットフォームのパートナーとしても知られている。国内におけるApple Payのサービス開始に一歩近づいたということが言えるかもしれない。
国内で競合となるのは、「WebPay」や「Yahoo!ウォレット FastPay」があげられる。両社は決済手数料が3.25%となっているが、米国で圧倒的な評価を得ている「Stripe」が国内でどのような評価を得るのか注目だ。
Stripe事前登録受付ページ
https://stripe.com/japan