楽天、店舗を横断して一括で決済可能に ー 全品を自社決済

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日本経済新聞は12月20日、楽天が来年2月から「楽天市場」の代金決済を全て自社で引き受ける方式になると報じた。

これにより、いままで各店舗でバラバラに決済が必要だったものが、Amazonなどと同様に全て一括で購入できるようになる。銀行振込の場合も各店舗別々に必要だったものが1回で済むようになる。決済手段を楽天カードに絞るといったこともないようだ。

楽天市場の1.5兆円におよぶ年間総取引額の3割程度は利用者と出店者が個別に決済しているが、今後は傘下の楽天銀行が全ての代金決済を手掛ける。
代金を振り込んだにも関わらず商品が届かないといったトラブル時にも、楽天が責任をもって出店者との交渉や返金などの対応を行う。
いままでは利用者がトラブル時に各店舗と個別に交渉する必要があったが、楽天が間に入ることで、不誠実な対応の減少にもつながりそうだ。不正業者の早期発見にもつながるだろう。

これまで店舗ごとに決済が必要だったものが1回の決済で購入可能になり、決済手段が限られていたショップでの購入もしやすくなるといったことから、ショッピング利用者の利便性向上はかなり見込めそうだ。店舗側にとっても信頼性の向上がかなり見込めるだろう。
ただし、4万店を抱える巨大モールで発生するトラブルをすべて楽天が引き受けるとなると、かなりの人員が必要になる。楽天側がすべて迅速に滞りなく対応できるかどうかが今後の鍵になりそうだ。
店舗によって導入している後払い決済などが入るか、また手数料率はどの程度に設定されるのか気になるポイントもある。

楽天は国内外のECサイトにも活用し、将来はヤフーなどの競合他社にも参加を呼び掛ける方針とのことだ。
発送に関しては従来通り店舗から直接行うことになるが、今後はAmazonと同様に物流の代行にも力を入れていく可能性がある。今後マーケットプレイスは決済や物流面での信頼獲得競争が激化しそうだ。

イイヅカ アキラ
ST編集長。Web制作会社にデザイナー、ディレクターとして従事後、フリーを経て、現在は株式会社プレイドに所属。

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