セブン&アイ・ホールディングスは、ネットスーパー専用店舗「ネットスーパー西日暮里店」の運用を3月8日から開始することを発表した。ネットスーパー専用店舗は同社初となる。
専用店舗では、既存のイトーヨーカドー店舗で実施しているネットスーパー出荷件数の約5倍となる1日最大2,000件の注文に対応する。
都心エリアの未対応エリアをカバー
イトーヨーカドーは、2001年に葛西店でネットスーパーを開始し、現在は全国144店舗でサービスを展開している。年間売上は500億円規模に成長し、会員数は約200万人。
ネットスーパーは、利用者の近隣店舗から配送する「店舗出荷型」が一般的で、イトーヨーカドーもこれまで「店舗出荷型」での配送のみを展開していた。
今回、「センター出荷型」となるネットスーパー専用店舗を開設することにより、東京23区内の特に都心部で事業を展開できていなかったエリアカバーすることを狙う。
「ネットスーパー西日暮里店」は、生鮮・一般食料品、衣料品、住関連品など約10,000品目を取扱い、路面販売店も開く。配達料金は通常324円で、1回5,000円以上の注文で配達料金を無料にする。
これまで対象エリア外となっていた西日暮里エリアに加え、近隣のイトーヨーカドー店舗(三ノ輪店、曳舟店、上板橋店、赤羽店等)における受注対応の補完サービスを行い、各店における対応キャパシティオーバーによる機会ロスを防ぐ狙いもある。
受注から製造調理、ピッキング、配送管理まで、全てをシステムで制御。業界初の取り組みとして、全長約600mのコンベアや、専用ハンディターミナルを導入し、迅速な出荷作業を可能にした。
さらに、既存店舗では1日の配送が平均10便体制であるのに対し、「ネットスーパー西日暮里店」では業界最大となる23便体制で対応。10時から23時30分まで対応する。
イトーヨーカドーは、東京23区内を中心とした宅配消費の潜在マーケットが数百億円以上あると見ているようだ。ただ、需要があるとはいえ、都心部は激戦区でもある。
都心部を中心に「センター出荷型」のみで展開していた「サミットネットスーパー」は、2014年10月に収益化が見込めず撤退に追い込まれた例もある。
「店舗出荷型」と「センター出荷型」の両方で展開するハイブリット型は各社が模索しはじめているだけに、今後はさらに競争が激化することが予想される。2015年は効率化を高めつつ、顧客満足度をいかに高め、常連客をつけることができるかがポイントとなりそうだ。
ネットスーパー西日暮里店
http://www.itoyokado.co.jp/special/ns_nishinippori/