日本郵便株式会社は2月18日、オーストラリア物流最大手の「Toll Holdings Limited(トール社)」を買収し、完全子会社化することを発表した。全株式の取得完了日は6月上旬を予定しており、取得金額は64億8,600万豪ドル(約6,200億円)で、日本郵政としては過去最大規模となる。
トール社はアジア太平洋地域に強み
買収するトール社は、日本を含む世界55ヵ国に展開しており、アジア太平洋地域に強みを持つ企業。1938年にトラック輸送から事業を開始しており、長い歴史を持つ。
フォワーディング事業、3PL(コントラクト・ロジスティクス)事業を海外で展開しており、多国籍企業経営の経験も豊富なことから、日本郵便はトール社をグローバル展開のプラットフォーム企業と位置付ける考えだ。
世界トップ5の物流企業に
日本郵政は今年の秋にも上場を予定しているが、国内郵便市場はここ数年縮小を続けているため、収益力を強化していくための更なる海外展開を推進することを狙った動きとなる。
日本郵便の年間売上高は約2兆7千億で、トール社は約8,000億円となる。これを合計すると3兆5千億円となり、世界物流において5番目の事業規模になる。
日本郵政の西室泰三社長は「日本だけに閉じこもって、物流企業が成り立つ時代は終わりつつある。その中で、グローバルで生きていく第一歩がようやく始まった。」とコメントしている。
日本郵便はこの他にも、2014年10月にフランスのジオポストと香港のレントングループと資本・業務提携し、国際宅配便サービスを開始しており、国際物流事業を積極的に強化している。
Toll Holdings Limited
http://www.tollgroup.com/