BASEが決済事業に参入 ー 決済サービス「PAY.JP」で買い手側の敷居を下げる

ネットショップを無料で簡単に開設できるサービス「BASE(ベイス)」を運営するBASE株式会社は、オンライン決済サービス「Pureca(ピュレカ)」を展開するピュレカ株式会社を子会社化し、2015年春より決済事業に参入することを明らかにした。
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BASEが2015年春より提供するサービスは、シンプルなコードを追加するだけで、ウェブサイトに決済機能を導入できるサービス。
名称は「PAY.JP(ペイドットジェーピー)」。
「申請に時間がかかる」「高い」「使いにくい」といった複雑なオンライン決済サービスの問題を解決することを目指し、スムーズな審査も実現するという。
決済手数料に関しても他社と優位性のある形で検討されているようだ。
「正式な公開は春を予定しておりますが、他社と比べてもPAY.JPを選んでいただけるような条件で提供する予定です。」(鶴岡氏)

今度は買い手側へのアプローチ

「PAY.JP」は、決済機能の導入を簡単にするだけではない。買い物をする側にとっても、今夏を目処にあらゆるサイトで簡単に決済ができる世界を実現しようとしている。
「BASE」では売り手側の敷居を下げた事に対し、「PAY.JP」では買い手側の敷居を下げようという狙いがある。
「もともとインターネット上に人々の経済活動の拠点を作る目的でBASE株式会社を創業しているのですが、たまたま最初のアプローチとして『簡単にモノを売る事ができるサービス』をつくったのがBASE(売り主へのアプローチ)で、次は『簡単にモノを買える世界をつくりたい』ということではじめるのがPAY.JP(買う側へのアプローチ)になります。いずれもインターネット上の経済活動の拠点をつくるという目的に沿ったサービスです。」(鶴岡氏)

あらゆるサイトで買い物を簡単に

例えば、同社が展開する「BASE」の決済に採用することで、「BASE」でショップを開設した店舗での買い物の際に「PAY.JPアカウント」でログインするだけで、簡単に決済が行えるようになるイメージだ。決済情報だけでなく、住所などの個人情報も保持する計画もあるようだ。
BASEは、これを「BASE」の店舗だけでなく、あらゆるサービスに導入してもらうことにより、「PAY.JPアカウント」を使って様々なサイトで簡単に買い物ができる世界を築こうとしている。
「PAY.JP」の競合としては「Yahoo!ウォレット FastPay」や「WebPay」が思い浮かぶが、「買い手側の敷居を下げる」というアプローチであることから、「Apple Pay」や「LINE Pay」に近いイメージと言えそうだ。

PAY.JPはBASEとは別事業

サービスの話を聞いた際に、BASE店舗に「PAY.JP」を導入してもらうことで、決済手数料収入によるBASEの収益化のひとつになるということなのかと考えたが、「PAY.JP」はあくまで別事業という位置づけとなるようだ。
「基本的にはBASEとPAY.JPは別のサービスなのでBASEの収益化のひとつになるというわけではありません。あくまで別の独立したサービスとして考えています。」(鶴岡氏)
現在のBASEの店舗数は15万店舗。BASE店舗にとっても購入がしやすくなる「PAY.JP」は歓迎なはずだ。すでに利用者の基盤があるだけに、どれだけの勢いで利用者を獲得できるのかに注目だ。

イイヅカ アキラ
ST編集長。Web制作会社にデザイナー、ディレクターとして従事後、フリーを経て、現在は株式会社プレイドに所属。

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