dely株式会社は1月31日、注文から30分ほどでランチなどを届ける速配系のフードデリバリーサービス「dely(デリー)」の提供を1月31日をもって終了したことを利用者向けのメールにて発表した。事前のアナウンスはなかったため突然の終了となった。
「dely(デリー)」は、渋谷エリアに限定する形で2014年7月2日にサービスを開始したフードデリバリーサービス。これまでデリバリーサービスを提供していなかったレストランなどの料理をスマートフォンから注文することが可能で、30分程度で指定場所に届けるサービスとして展開していた。
注文から配送まで代行するサービスとして展開
delyは予約部分と配達部分を店舗に代わって対応するのが特徴で、いままで配達用の人員を確保することができなかった店舗でも導入できる仕組みを構築。注文が入った場合にのみ販売金額の一部を手数料としてもらう成果報酬型となっているため、店舗側はリスクを負うことなく、デリバリーサービスを提供できるサービスだった。
利用者に対しては、配達料として350円の手数料が発生する形で、5,000円以上の注文で無料で届けていた。
代表の堀江氏は、現役大学生の起業家としてdelyを創業、BEENOSをはじめとして、East Ventures、partyfactory、ANRIから資金調達を実施し、事業を展開していた。
堀江氏は、自身のTwitterで以下のように述べている。
多角的に判断し将来的な勝率が低いと感じたら傷口が広がらないうちに引く。戦うべきand戦える市場で戦う。それだけです。チームは強くなっています。今後ともdely株式会社をよろしく御願いいたします。
現在はステルスでサービスを運営していて、グングン伸びています。期待していてください。
— ほりえゆーすけ (@santamariaHORI) 2015, 1月 31
「勝率が低い」という面に関しては、LINEが提供する「LINE WOW」が2014年11月からデリバリーサービスを開始し、1月29日に1,000円以下のランチメニューを追加したばかり。そして、Amazonに関しても、米国でフードデリバリーサービスを展開しているほか、1時間以内に配送する「Prime Now」を2014年12月に開始しており、エリアを拡大していくことを明言している。
「dely」自身も、ランチだけでなく、あらゆる商品を配送するサービスを目指していただけに、すでにインフラを確立している競合と戦うのは難しいと判断したのだろう。
delyの堀江氏は、すでに他のサービスをステルスで開始しているとのことだ。
その他の競合サービスとしてある「渋弁.com」に関しても2014年11月にサービスを終了しており、代表的な速配のスタートアップとしては「bento.jp」のみとなった。
dely(デリー)
https://www.dely.jp/