株式会社クレディセゾンは、所持している複数枚のクレジットカードを1枚にまとめることができる電子カード「Coin(コイン)」を開発する米国のスタートアップ企業「Coin」に出資したことを1月5日に発表した。
日本経済新聞社が伝えたところによると、出資額は数億円規模になるという。
複数のクレジットカードを1枚にまとめられるデバイスを開発
「Coin」は、2012年6月に設立され、運営拠点はカリフォルニア州サンフランシスコに置く企業。創業者は米PayPal出身のエンジニアであるカニシ・パラシャー氏で、現在は33人の従業員がフルタイムで勤務している。
同社が開発するのは複数の磁気ストライプカード集約型デバイス。発表後6時間で2万件の注文を受ける反響があり、日本でも話題になったので、見覚えのある方も多いだろう。
デバイスには、クレジットカードや銀行カード、ポイントカードなどの複数のカードをスキミングしてデバイスに登録し、1枚にまとめることができ、磁気カードリーダーやATMでプラスチック型のカードのように利用することが可能だ。
厚さは0.84mmで、重量は34g。最大8枚までのカードを登録することが可能で、登録したカードは切り替えて利用することができる。表面にE-Inkディスプレイを搭載しており、ここで利用するカードを確認することが可能だ。iPhone・Androidに対応する。
自分のスマートフォンから「Coin」が離れた場合に警告してくれたり、カード情報が表面に記載されないことから、セキュリティ面でのメリットもある。
2015年春に米国で一般発売予定
クレディセゾンは、東南アジアマーケットへの参入に向け海外事業の強化を経営戦略に掲げており、今回の出資に関しては、最新技術を有するスタートアップ企業やベンチャー企業への出資を通じ、セゾンカード会員の利便性追求や新たな価値の提供によるカード取扱高の拡大を目的としている。
「Coin」は、2014年11月よりβ版の出荷を1万5千人のユーザーを対象に開始しており、改良を続けている段階だ。これまでに200以上のユニークなカードリーダーでテストし、4,000件以上の決済を行ったという。2015年春に一般販売を開始する予定で、現在はプレオーダーを受け付けている。価格は100ドル。
現在は、競合サービスとなる「Plastc」が登場しており、こちらは2015年夏にサービスを開始する予定。価格は155ドルで、NFCやRFID、EMVチップを内蔵している特長がある。
反響を見る限り、ニーズは間違いなくありそうなこのカード。セキュリティ面で本当に問題がないのかなど、不安な面もないわけではないが、今回の出資により日本での導入の可能性が高まったといえそうだ。
Coin(コイン)
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