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Yahoo!ショッピングが20万店舗へ ー 10倍の店舗数に伸ばした1年とこれから

Yahoo!ショッピングの出店店舗数が間もなく20万店舗に達する。「eコマース革命」を発表する前となる2013年9月末時点では2万店舗ほどだったことから、1年で約10倍の店舗数に成長したことになる。
10倍にも伸ばしたYahoo!ショッピングの1年はどのようなものだったのか。そして2015年に目指すものは。
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これほどまでに急激に店舗数を伸ばしたのは、もちろん「eコマース革命」による手数料無料化が背景にある。それまでの料金体系であった、手数料21,000円、月額利用料25,000円、1.7%〜6.0%の売上ロイヤルティをすべて撤廃し、無料化したことで、その後2週間で出店申込みが約5万5千件にのぼり、その勢いのまま出店数は増加していった。
10月29日に行われた2014年度の第2四半期決算説明会で発表されたところによると、店舗数は2014年9月末には19万3千件に達している。
この数字は法人・個人を含むアカウント発行ベースで、審査完了後開店準備中の店舗含む数字となるが、楽天市場の出店店舗数が4万1千店舗ほどであることを考えると、想像以上の増加となったといえるだろう。

無料化だけでなく出店の簡易化も進行

無料化のほかにも出店する敷居が下がったポイントがある。それは、5分ほどで簡単にショップを作れる「ストアクリエイター」を1月22日から導入し、「ライト出店」というプランを新設したことだ。
2月からは個人の出店受付も開始し、これからショップを運営しようという人にとっても出店がしやすい環境ができた。
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出店された店舗はほとんどが個人なのではないか?ということも考えられるが、法人と個人の割合をヤフーに確認したところ、「割合に関しては非公開」とのことだったが、法人の方が多いことは確かなようだ。

商品数は間もなく日本一へ、2015年の目標

12月11日に開かられたメディアレセプションで、ヤフー株式会社 執行役員 ショッピングカンパニー長の小澤隆生氏は、2015年の目標として、次の5つをあげた。

  1. 出品数日本一へ
  2. デザイン、システム改善により見つけやすさ日本一へ
  3. サイト来訪者数日本一へ
  4. 特定カテゴリ、企画において日本一へ
  5. モバイルコマース日本一へ

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実は商品数は来年早々にも日本一になりそうな勢いで伸びている。現在の日本一は楽天市場の1.5億点だが、Yahoo!ショッピングは、eコマース革命後に商品数が5割以上増加しており、2014年9月末時点で1.2億点を突破している。
小澤氏は出品数に関して「来年のはやいうちに間違いなく日本一になる」と述べている。
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2014年は「ストア数日本一」「日本一安いモールへ」「セミナー開催数日本一」などの日本一などを実績として作った。2015年も上記の日本一を達成し、「Yahoo!ショッピングで買う理由」を形成していく考えだ。
ちなみに、「日本一安いモール」に関しては、最安値占有率をヤフーが集計して割り出したものであり、「わずかな差でしかない」ことは小澤氏も認めるところだ。この辺りはさらに強化されることになるだろう。
そして発表では、いつか「流通総額 日本一へ」なることも宣言して締めくくった。

この1年で売れるようになったのか?

直近の第2四半期決算説明会で発表された数字によると、第2四半期のショッピング関連の流通総額の伸びは前年同期比で10%増にとどまった。増加の理由としては、注文数と注文単価が増加があげられるという。
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店舗数の増加に対して、流通総額の伸びが少なく感じるのが正直なところだろう。しかし、「eコマース革命」前は減少し続けていた注文数は増加に転じており、明らかに状況に変化が見られるのも確かだ。
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購入する側にとっては2015年に変化が感じられる?

よくよく考えてみると、「eコマース革命」自体は店舗側にとっては大きな変化だったが、購入する側にとって変化が実感できるのは2015年以降になるのかもしれない。
商品数が日本一になり、手数料が無料である点が価格に反映され、価格の安さが感じられるようになってくれば、人が集まり、売れるモールになっていく・・・。そうなれば、よいショップや商品がさらに集まり、好循環が生まれることになるだろう。
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そして、ヤフーは「Yahoo!ショッピングAPI」を2014年3月に公開している。このあたりの成果も2015年に見えることになるのではないだろうか。
ヤフー自身にとっても急激な変化が生まれた2014年だったと思うが、この足固めが2015年にどう結実するのか注目していきたい。

イイヅカ アキラ
ST編集長。Web制作会社にデザイナー、ディレクターとして従事後、フリーを経て、現在は株式会社プレイドに所属。

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