フリマアプリ「fril(フリル)」を展開する株式会社Fablicは9月25日、クックパッド、コロプラ、ジャフコの3社を引受先とする第三者割当増資により総額約10億円の資金調達を実施したことを発表した。
今回の調達は、人材採用ならびに認知拡大に向けたテレビCM等によるプロモーションを実施する目的としている。
「Fril(フリル)」は2012年7月に日本で初めてフリマアプリを開始したサービス。女性にターゲットを絞って展開しており、現在の月間物流総額が5億円以上で、一日の出品数は数万点の規模となる。アプリのダウンロード数は200万に迫る。
スマートフォンのカメラで商品を撮影して簡単に出品できる手軽さから20代を中心とした女性層から支持されており、洋服やハンドメイドアクセサリーなどのファッショングッズ、主婦に人気のキッズ用品など、幅広い商品が出品されている。
サービスを開始して以降CtoC(個人間売買)を行うサービスとして運営してきたが、2014年8月25日にBtoCサービスも開始した。第一弾として「LIP SERVICE(リップサービス)」、9月4日には第二弾として「Auntie Rosa(アンティローザ)」の取扱いを期間限定で実施し、売れ行きも好調だという。今後も様々なブランドを扱っていく予定とのことだ。
Fablic代表の堀井翔太氏は今回の調達にあたり、以下のようにコメントしている。
Fablicは「顧客が本当に必要とするサービスを創る」を経営理念に、ユーザーとの対話を重ねながら『Fril(フリル)』の開発・運営を行っています。今回の増資にあたっても、そうした当社の考えについて共感していただける引受先が理想と考えておりました。
3社には、Fablicのユーザーオリエンテッドな企業カルチャーに共感いただき、今後の事業展開や戦略についても、私たちと同様の価値観で発展に力を貸していただけると確信いたしました。
今後は『Fril(フリル)』を育てていくパートナーとして3社の力を最大限にお借りしつつ、「顧客が本当に必要とするサービスを創る」ことに引き続き邁進して参ります。
テレビCMなどのプロモーションで一気に攻勢をかける
フリマアプリは2013年に様々なサービスが登場し激戦区といえる状況となった分野だ。他社が手数料無料などで会員を獲得する中、Frilは手数料無料化に頼らずサービスの魅力で手堅くサービスを伸ばしてきた印象だ。実際にサービス開始初年度から黒字化を達成しているという。
今回の資金調達の目的にテレビCMなどのプロモーションの実施があげられている。競合となるメルカリは2014年5月よりテレビCMを開始し、それまで200万ダウンロードだったアプリは約4ヶ月で300万ダウンロードを上乗せするなど、一気にサービスを拡大した例がある。テレビCMによるプロモーションはサービスを一気に拡大させるうえで重要なポイントとなる。
アメリカでの展開を開始したメルカリと、女性にターゲットを絞りつつBtoCの展開を開始したフリル。今後も両社の成長は注目だ。