楽天株式会社は9月9日、米国最大級の会員制オンライン・キャッシュバック・サイト「Ebates.com(イーベイツ)」を展開するEbates Inc.の株式を100%取得し、完全子会社化することを発表した。株式は約10億米ドル(約1060億円)の現金で取得する。
Ebates社は、1999年に設立された企業で、会員制オンライン・キャッシュバック・サイトの先駆け的存在。利用者は会員登録することで、Ebates経由の買い物で3%〜6%のキャッシュバックやクーポンを得ることができるため、お得に買い物をすることができる。登録されているショップは「Amazon」「Best Buy」「Macy’s」など、その数は2,600以上に及び、ECサイトだけでなく、旅行代理店など、様々なカテゴリーのショップが掲載されている。
アクティブ会員は250万人で、2013年度決算では、流通総額22億米ドル、売上高1.7億米ドル、営業利益1,367万米ドル、純利益780万米ドルとなっている。
楽天グループは、2005年のLinkShare社の買収以降、ECや広告ビジネス、関連領域において米国事業を拡大し、その過程で、事業パートナーであるEbates社と相互の信頼関係を築いてきた。両社が統合することで、世界でも独創的かつ革新的なECプラットフォームを構築できると判断し、買収を決定した。
今回の統合により、楽天は「魅力的で革新的なポイントプログラムを中核とした会員制マーケットプレイスが誕生する」と述べており、買収を通じてグローバルEC戦略を飛躍的に進化させることを目指すとしている。
楽天は8月8日、様々なECサイトから届くメールを解析し購入履歴を集約するサービス「Slice(スライス)」を提供する米スライス社を買収したことも明らかになっており、米国展開のための足場を固めていると見ることもできそうだ。
Ebates
http://www.ebates.com/