経済産業省は5月29日、日本の電子商取引市場の実態や日米中3ヵ国間の越境電子商取引の市場動向など電子商取引に関する市場調査を実施し、その結果を発表した。
国内のBtoCの市場規模は12.8兆円
2014年の日本国内の消費者向け電子商取引市場規模(BtoC EC)は12.8兆円となり、前年比14.6%増だった。また、EC化率(全ての商取引金額に対する電子商取引市場規模の割合)に関しては4.37%となり、前年比0.52%増だった。
内訳としては、物販系分野が6兆8,042億円で伸び率13.5%、サービス分野が4兆4,816億円で伸び率10.1%、デジタル分野は1兆5,111億円で最も伸び率の大きい37.1%となった。
BtoB市場規模は280兆円に
企業間電子商取引市場規模(BtoB EC)に関しては、広義※280兆円、狭義※196兆円となり、それぞれ前年比4.0%増と5.0%増となった。EC化率については広義26.5%、狭義18.3%だった。
業種別では、「建設(前年比118.4%)」「運輸(同110.2%)」等の業種で市場規模の拡大が見られた一方で、「情報通信(同93.6%)」「金融(同79.0%)」等業種では縮小が見られた。
※広義EC:コンピューターネットワークシステムを介して、商取引(受発注)が行われ、かつ、その成約金額が捕捉されるもの。VAN・専用回線、TCP/IP プロトコルを利用していない従来型 EDI(例:全銀手順、EIAJ 手順等を用いたもの)が含まれる。
狭義 EC:インターネット技術を用いたコンピューターネットワークシステムを介して、商取引(受発注)が行われ、かつ、その成約金額が捕捉されるもの。「インターネット技術」とは、TCP/IP プロトコルを利用した技術を指しており、公衆回線上のインターネットの他、エクストラネット、インターネット VPN、IP-VPN 等が含まれる。
越境ECは中国からの購入額が前年比50%増に
日本の消費者による米国と中国事業者からの越境ECによる購入額は2千億円となり、前年比8.9%増だった。米国の消費者による日本と中国事業者からの越境ECによる購入額は8千億円(前年比 13.0%増)、中国の消費者による日本及び米国事業者からの越境ECによる購入額は1.2兆円(前年比 53.0%増)となり、中国で著しい伸びが見られた。
また、2018年までの越境EC市場規模の試算では、2014年から2018年までの間に日本は約1.4倍、米国は約1.6倍、中国は約2.3倍の規模となる見通しを示した。
経済産業省は、この他にもEUにおける電子商取引関連法制度の調査結果も発表している。
電子商取引に関する市場調査の結果を取りまとめました(経済産業省)
http://www.meti.go.jp/press/2015/05/20150529001/20150529001.html