世界最高峰のブランドと同品質の商品を、3分の1の価格で提供する「Factelier(ファクトリエ)」というECサイトをご存知だろうか。中間業者を一切省くことで低価格を実現しているサービスだ。
「Factelier(ファクトリエ)」は、2012年10月15日誕生した日本初のファクトリーブランド専門のECサイト。
商社・卸等の中間業者を完全排除し、アパレル工場と直接提携することで、余計なマージンを上乗せせず、最高品質の商品を低価格で販売していることを特徴としている。
これにより、百貨店や路面店で販売されているものと同じ高品質の商品を3分の1の価格で提供することを実現し、シャツやジーンズ、ソックス、革製品などの13カテゴリ100アイテムを販売している。
世界最高峰のブランドと同品質の商品を3分の1の価格で
例えば、某欧州ブランドで2,7000円で販売されているシャツ、これと同品質の商品をファクトリエでは9,500円で販売している。
実はこれらはの2つの商品は同じ工場で作られているが、メーカーや中間業者を省くことで同品質の商品を低価格で提供することができているというわけだ。
アパレル国産比率は50.1%から4.5%へ激減
ファクトリエというサービスが生まれた背景には、アパレル工場が不利な立場に置かれており、このままでは世界に誇る日本の技術・職人が途絶えてしまうという危機感があるようだ。
長引く不況と円高、ファストファッションブームにより、メーカーが低コストな海外生産にシフトした結果、国内におけるアパレル品国産比率は1990年の50.1%から2009年には4.5%まで減少している。(経済産業省「繊維・生活用品統計月報2010年」)。
さらに構造的な問題として、工場で商品が生み出され店頭に並ぶまでに、商社や卸等の中間業者が介在し、メーカーが低価格な商品を好めば好むほど、そのしわ寄せが工場に直接きてしまっている現状もあるという。
結果、工場は過剰な原価抑制を強いられ、倒産や人員削減が続き、1990年に約6万あった繊維産業の事業所数は、現在は2万以下まで減少しているという。
ファクトリエは、この状況を変えるには、アパレル業界の構造改革が必要とし、工場がしっかりとした売上・利益を確保していくために、中間業者を完全排除した、“工場”と“消費者”をダイレクトに結び付けられる『Factelier(ファクトリエ)』のコンセプトに辿り着いたそうだ。
ファクトリエは、低コストを実現するだけでなく、日本の工場に生まれている空き時間や非可動の人員を活用した試みだ。日本のモノ作りを守る可能性も秘めた注目のモデルといえそうだ。
Factelier(ファクトリエ)
https://factelier.com/