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ネット通販の前払いによるトラブルが前年度の6倍超に急増 ー トラブルの手口とその対策は?

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maetora インターネット通販で前払いをした場合のトラブルが急増している。国民生活センターが2013年12月に発表した資料によると、2013年度は前年度同期に比べて6倍となる勢いで相談が寄せられているという。
これまでの推移を見ると、2011年度まではゆるやかな推移だったにも関わらず、2012年度は前年度の2倍、2013年度は6倍と、ここ2年間で急激にトラブルが増加していることがわかる。

maetora1 先日ヤマトホールディングスが、ネット通販で商品確認後の後払いを可能にするサービスを開始したが、ニーズの高まりから生まれた商品であることがわかる。

前払いによるトラブルの被害は、お金を支払ったにも関わらず商品が届かない全く別の商品や偽物が届いてしまったというものだ。
被害の多くはもともと商品を送るつもりがない価値が著しく低い別の商品を故意に送って返品や返金に応じないといった詐欺行為であることがほとんどだ。

詐欺であったことに気付いても、支払い前の契約破棄とは違い、返金に応じさせるのは困難を極める。多くの場合、業者の所在や運営状況などの実態が分からず、連絡手段もメールのみで、返信がない限り交渉さえできないような状況になる。
やはり対策としては、そういった業者と取引をしないよう、利用者が事前に注意する必要がある

このような被害は高齢者に多いと思われがちだが、最も相談が多い層は20代から40代が約8割と大半を占めており、最も多いのは30代だ。自分は大丈夫と思わず、初めての業者とのやりとりはよく注意して行うことが肝心だ。

以下では、具体的な事例と対策をまとめた。

具体的なトラブルの事例

国民生活センターに寄せられた主な相談事例をいくつか紹介する。


【事例1】安いので注文したが、商品が届かない

目的のゴルフクラブをネットで検索し、見つけたサイトが安かったので注文フォームに入力し購入。代金は前払いで指定された個人名義の口座に2日後に入金。入金後すぐに商品を発送するとの連絡があったが、数日しても商品が届かなかった。
メールで問い合わせたところ、発送する具体的な日付を伝えられたが、その後も商品が届かず。「注文をキャンセルし、代金を返金してほしい」とメールを送ったが「すでに商品は発送済み」との返信があり、その後も1週間しても商品が届かない。(40代男性)


【事例2】他のサイトでは売っていないので注文したが、商品が届かない

大手のショッピングサイトで欲しいブランド水着が売り切れていたため、ネットで検索して見つけたサイトで注文。翌日注文承諾メールが来て、前払いで指定された個人名義の口座に振り込んだ
支払い後2週間経過したが、商品が届かず、メールを送っても返事がない。住所は記載されているが、電話番号の記載はなかった。(10代女性)


【事例3】コピー商品が届いた

ブランド名で検索し見つけたサイトで、海外ブランドのバスケットシューズを2足注文。代金2万円を個人名義の口座に振り込んだ。スニーカーは中国から届き、雑な作りでブランドタグも付いていない全く異なる商品だった。
ブランドに確認したところ、偽物であることが判ったため、販売店にメールでキャンセルを申し出た。「キャンセルします」との返信があったが、その後何の対応もなく、メールの返信も来なくなった。(20代男性)


【事例4】まったく違うものが届いた

スーツケースをブランド名で検索し、格安の販売店で申込んだ。代金3万円を指定の個人名義の口座に振り込んだ。3日後に発送したとの連絡があったが、商品が届かなかった。
何度もメールで催促したところ、注文から10日後に中国から荷物が届いた。中味はスマートフォンの液晶画面の保護フィルムで、注文したスーツケースとは全く違うものだった。(60代女性)


【事例5】違う商品が届いたのに、そのまま使うよう言われた

ネット通販で9800円の有名ブランドのスニーカーを申し込んだ。商品が中国から届いたが、全く別のスニーカーだった。販売店にメールで連絡すると「1000円返金する。商品に異常がなければ使ってほしい」と返信があった。
返品するので返金するよう交渉したが「3000円返金する」などと返信があり交渉が進まない。振り込んだ先は中国名と思われる個人名義で、メールの日本語も不自然だった。(20代女性)


【事例6】サイトから送られてきた電子メールの日本語がおかしい

映画とのコラボスニーカーをインターネットで検索し、ヒットした業者を国内の業者と思い、注文した。すぐに注文確認のメールが届き、支払い方法と発送時期が書いてあったので、指定された口座に1万1500円を振り込んだ
6日後に発送され、商品が届いたが、異なるガラの商品だった。メールでその事を伝えたところ「違う商品てどういうことですか」と返信があったので写真付きメールで再度注文品とは違うこと、返品したいと伝えた。
返信があったが「このままでよろしいでしょうか。返品したらなかなかうまくいきません。1500円返金していただきます」など、日本語がおかしく理解ができないものだった。 (20代男性)


【事例7】サイトそのものが有名サイトをコピーしたニセサイトだった

通販モール内のショップだと思い、定価5万円の財布が約2万円と安かったので申し込んだ。連絡先の電話番号はなかったが、プレゼント包装などの問い合わせをメールで行った際には丁寧な対応だったので疑わなかった。支払いは銀行振込のみで、口座名義は外国人の個人名だった。商品が届かずメールの返事も来ないので警察に相談したところ、私が見たサイトは実在のサイトをコピーしたものだということが分かった。実在のサイトには「同様の苦情が入っているが当社とはまったく関係がない。当社も被害者だ」と言われた。 (50代女性)

この他にも、以下のようなケースがある。
  • クレジットカード決済が可能だったので購入したが、番号を入力する欄がなかった。その後、銀行口座に振り込むよう誘導され、振り込んだが返信がない。
  • 代引きを選択し購入したが、メールで「今日は代引きができないので銀行口座に振り込んで欲しい」と連絡があった。振り込んだところ、その後連絡を取れなくなった。
  • 前払いで振り込んだが、商品が届かず連絡もなかった為サイトを確認したら、電話番号は載っておらず、業者の住所を調べたら山の中だった

被害にあわない為の対策

トラブルを防ぐ方法として1番わかりやすいのが「個人名義の銀行口座に前払いしない」ということだ。上記事例からもわかるように、相談が寄せられたトラブルの振込み先の口座名義は個人名が96%と圧倒的に多い。しかもその7割が外国人名義となっており、少し注意すれば防げる事例がほとんどだ。

サイトへのアクセスのきっかけは「商品名検索」や「ブランド名検索」などの検索によるものが62%で、この他の少数の事例としてや「大手通販サイトに張られていたリンク」、「メールマガジン」などがある。
「検索結果」や「広告からの誘導」でサイトを訪問した場合は注意が必要だ。そのケースの場合、有名なショップのサイトだとしても、コピーサイトである可能性もあるので、少しでもおかしな点があれば偽サイトではないかしっかり確認を行ったほうが良いだろう。

商品の特徴としては、他と比べて明らかに安かったり、他のショップでは売り切れている商品であることが多く、購入者の判断能力を弱めてしまうような商品がケースが多い。

また、通販サイトの特徴として、不自然な日本語が使われている個所があったり、連絡メールがフリーメールアドレス(GmailやHotmailなど)であることが多いようだ。

日本通信販売協会は、注意すべきサイトの特徴を以下のようにまとめている。

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振り込んでしまった場合は?

すでに料金を支払ってしまったサイトが詐欺の疑いのある場合は、自分でサイバー犯罪相談窓口(警察)に相談したり、代金を振り込んだ金融機関にトラブルの状況を伝えよう。既に口座が凍結されているため振込ができず、被害を免れたケースもある。

振り込む前に不信な点があれば、消費生活センターが相談に乗ってくれるので確認するようにしよう。とにかく事前に疑問点を解消したり、注意を払うことを忘れないように個々で気をつけるしかないだろう。


より詳しい情報は、下記で確認できる。


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