2014年はEC業界でどのような動きが活発になるかを探る「2014年のEC展望」の第3回。今回はスマートフォン・コマースを取りあげる。
- 【連載】2014年のEC展望(1):本格化するオムニチャネル戦略
- 【連載】2014年のEC展望(2):CtoC(個人間売買)のさらなる加速
- 【連載】2014年のEC展望(4):ビデオコマースが普及の兆しを見せるか
- 【連載】2014年のEC展望(5):進む物流改革
2013年はスマートフォンの普及が一気に進んだ1年となった。総務省が2013年6月に発表した資料によると、世帯別のスマートフォン保有状況は2012年の29%から50%弱に急増、タブレット端末は9%から15%に伸びている。IDC Japanが2013年10月に発表した調査でも、普及率はスマートフォンが49.8%、タブレットが20.1%としている。
この影響はEコマースにも波及しており、矢野経済研究所が2013年10月に発表した資料では、国内BtoCスマートフォン・コマース市場規模は、2012年で8,450億円だったものが、2013年には前年比159.4%の1兆3,469億円に成長すると見込まれている。
EC利用経験の比率が最も高いのは「女性20代」74.0%、次いで「女性10代」55.0%、「男性30代」「女性30代」ともに50.0%といった調査結果も明らかにされており、10代〜30代を中心に普及が進んでいることが伺える。
調査方法:インターネット調査、複数回答(矢野経済研究所作成)
楽天、ZOZO TOWNもスマホシフトが進む
実際にスマートフォン・シフトが鮮明に現れている事例もある。ZOZO TOWNを展開するスタートトゥデイが発表した平成26年3月期 第2四半期決算説明会資料(PDF)によると、デバイス別出荷比率はPC 50.5%、スマートフォン 45.9%、フューチャーホン 3.6%と、スマートフォンの比率が5割に近づいており、2014年にはPCの比率を超えそうな勢いが見られる。
楽天市場も2013年9月の「ad:tech tokyo 2013」でスマートデバイス(スマートフォン+タブレット+フィーチャーフォン)の注文比率が4割程度になる見込みであることを明らかにしており、モールでのスマートフォン・シフトがかなり進んでいることがわかる。
2014年は30代を中心にさらなる成長が予想される
2014年は、2013年にEC利用経験比率が50%程度だった30代を中心にスマートフォン・コマースへのシフトが進むことが予想される。
矢野研究所の予測では、国内BtoCスマートフォン・コマース市場規模は前年比151.6%の2014年で2兆413億円、2015年で2兆6,677億円を超える規模で今後の急成長を予想している。
2014年はスマートフォンによるショッピングがいよいよ主戦場になりそうだ。2014年もスマートフォン・コマースの動きを追っていく。