COLUMN

日本の伝統技術を用いたメーカーとバイヤーをつなぐサイト「Rin crossing」

ネットショップを運営するにあたって、商品の仕入れ先を探して販売する商品を選択していくことは、お店の方向性を決める重要な要素です。
とはいっても、独自の仕入れ先を見つけるのはなかなか手間がかかる部分でもあります。
今回は、インバウンド消費(訪日外国人による消費)などでも注目されている日本の伝統産業にフォーカスした、創り手とバイヤーをつなぐプラットフォーム「Rin crossing(リンクロッシング)」をご紹介します。
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創り手とバイヤーが出会える場所

「Rin crossing」は、中小機構が運営する、日本のメーカーと国内・国外のバイヤーとのマッチングを目的としたプロジェクトです。
ウェブサイト上や、商談会・展示会を通じてメーカーとバイヤーが出会える場所を提供しており、現在、約180社のメーカーと、約800人のバイヤーが参加しています。
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バイヤーのうち1/3以上は海外のバイヤーなので、海外進出をして販路拡大したいというメーカーにも良いのではないでしょうか。
独立行政法人の中小機構が運営するので、メーカー側もバイヤー側も登録料や手数料は無料です。
また、「Rin crossing」はあくまでも出会いの場であり、メーカーとバイヤーは直接契約し取引を行うので、問屋を利用する時のような中間マージンも発生しません。
メーカー側、バイヤー側双方にとって、とても参加しやすい仕組みとなっています。

日本の伝統技術を用いた商品に特化

「Rin crossing」は、「日本に根づく伝統や豊かな地域資源を取り入れ、日本の四季折々の美しさや文化の息遣いを感じる商品創りと、その商品による『彩りのある空間』創りを提案する。」というブランドコンセプトを掲げています。
そのため登録メーカーは、日本の伝統技術や地域資源を用いた商品を自社ブランドとして展開する企業に特化しています。
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しかし、いわゆる伝統工芸というような商品だけではなく、日本の技術を使いつつデザインはスタイリッシュな商品など、伝統と現代の要素がうまくミックスされた商品も多く、商品のテイスト・ジャンルは多岐に渡っています。
「Rin crossing」上で紹介されている商品を一部紹介します。
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1.木の動物セット「NOE」
株式会社マストロ・ジェッペットの 、木製玩具では数少ないお風呂で楽しめる動物型のおもちゃ。もちろんお風呂の外でも遊べます。
素材には水に強く、木材に含まれる「ヒノキチオール」の効能でリラクゼーション効果のあるヒバ材を使用しています。
2.ICE COFFEE CUP
株式会社織田幸銅器の、純銅製のアイスコーヒーカップ。
本体だけではなくハンドルまでも純銅製にこだわったこのカップは、熱伝導率が高く、すぐにカップが冷え、その冷たさが持続するとのこと。
3.にじゆら 手ぬぐい
株式会社ナカニの、カラフルな手ぬぐい。
職人が自社生産で伝統的な技術を培いつつ、さらに新たな染色技法にもチャレンジしていたり、手ぬぐいをデザインしたことのない若い作家を起用したり、革新的な試みを積極的に行っています。
4.急須 筒型 ハケメ 0.4L
有限会社ロジアソシエイツの南部鉄瓶。
鉄瓶は熱伝導・保温性に秀でており、不足がちな鉄分補給にも最適とのこと。

マッチングウェブサイトや商談会で、交流を活性化

「Rin crossing」では、創り手とバイヤーの交流を活性化させる手段として、ウェブサイトでの創り手の・バイヤーの紹介や、展示会・商談会の開催に力を入れています。
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ウェブサイト上では、商品の素材や「癒し、おしゃれ、食卓」といったテーマなどから商品を検索でき、商品や企業の情報を見ることができます。
バイヤーは登録してサイトにログインすると、詳細の情報を見ることができ、問い合わせフォームから企業にコンタクトを取ることもできます。
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商品スペックや取引条件だけではなく、モノづくりの背景にあるストーリーも丁寧に紹介。
創り手たちのStory」という特集ページでは、産地の現状や創り手の現場の取材を積極的に行い、その企業や商品の魅力を発信しています。また、「Styling theme」というページでは、「東北のものづくり」「日本の手みやげ」といった、様々な切り口で商品をピックアップしています。
さらに、創り手だけではなくバイヤーへのインタビューも行っており、バイヤー側の店作りに対する思いや、バイヤー側がどんな商品を求めているのかなどを知ることができます。
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また、国内外の展示会にも積極的に参加しています。
国内だとファッションとデザインの展示会「rooms」や「ギフトショー」、海外だとロンドンで開催される家庭用品の展示会「home」や、シンガポールで開催される家具・雑貨の見本市「IFFS」に参加しており、「Rin crossing」という合同ブースとして、各企業の商品を展示しています。
合同ブースなので出展のハードルが下がり、1社だとなかなか出展しづらいメーカーも参加しやすくなっています。
特に海外の展示会などは、手続き等も大変ですし、このような合同ブースでの出展だとかなり安心ですよね。
さらに、メーカーとバイヤーがじっくりと交流・商談ができる商談会や、マーケティングをテーマにしたセミナー、イベントも開催しています。


お店で売るための良い商品を探すのは、なかなか骨が折れますよね。
日本の伝統的な技術や資源を用いた商品にフォーカスした「Rin crossing」は、創り手側・バイヤー双方にとってとても革新的で便利な試みだと思いました。
メーカーの登録は、定期的に募集がありその際に応募する形となりますが、バイヤー登録はいつでも可能。
日本らしい商品に興味がある、というバイヤーさんは試しに登録してみてはいかがでしょうか。


Rin crossing(リンクロッシング)
http://rincrossing.smrj.go.jp/

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