2014年はEC業界でどのような動きが活発になるかを探る「2014年のEC展望」の第2回。今回はCtoC(個人間売買)を取りあげる。
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- 【連載】2014年のEC展望(3):スマホコマースが主戦場に
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- 【連載】2014年のEC展望(5):進む物流改革
2013年はフリマアプリが相次いで公開され盛り上がりを見せた1年となった。昨年にはじめて個人間売買を経験した人も多かったのではないだろうか。
2013年にフリマアプリが盛り上がりを見せた理由の1つにスマートフォン利用者の増加があげられるだろう。出品者としてはスマートフォンで撮影して出品できる手軽さと、専用アプリによって売買取引のしやすさが向上した。それに加え、決済代行サービスの整備による取引の安全性の向上もポイントの1つとなった。2014年はこれらのサービスの質が向上し、さらなる成長を見せる1年になりそうだ。
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2014年は現時点でも3つの大きな動きが予定されている。まずはその動きを整理してみよう。
Yahoo!ショッピングで個人出店が開始
Yahoo!ショッピングの手数料無料化が話題になったが、2014年1月以降に個人出店の開始が予定されている。Yahoo!ショッピングでは企業が運営する「ストア」と個人が出店する「個人」を別々に閲覧できるようなナビゲーションを設け、明確に別けて表示する。そのため、個人の出品物だけをチェックすることも可能だ。
サービスの詳細はこれから明らかになるが、個人も審査が必要になると思われるので、無審査で出品できるフリマアプリとは違った位置づけになりそうだ。
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LINE MALLが本格稼働
2014年12月20日に、Android版アプリを先行リリースしたLINE MALLだが、2014年の春に正式なオープンを予定している。それまでにiPhoneの対応も予定されており、本格的にサービスが開始される。
先行したAndroid版アプリでは個人間売買のみが提供中でフリマアプリと同様のサービスとなっているが、企業による出店もこれから受付が開始される予定となっている。
5000万人の利用者がいるLINEと連携することで、プラットフォームとしての優位性をどれぐらい発揮できるかに注目が集まる。
「LINE MALL」がプレオープン!誰でも出品・購入が可能なAndroidアプリを先行リリース
ZOZO MARKETがオープン
ZOZO TOWNを運営する株式会社スタートトゥデイと、STORES.jpを運営する株式会社ブラケットは、すべてのクリエイターや、アパレルブランド、アパレルショップが出品できる「ZOZOMARKET(ゾゾマーケット)」を2014年1月15日にオープンする。
ZOZOMARKETはZOZOTOWNではカバーしきれなかった、アパレル商品を制作するクリエイターやアパレルブラン、全国のアパレルショップなど、個人・法人、規模を問わず商品を出品できる、開かれたオンラインマーケットとして誕生するものだ。
STORES.jpで商品を出品した商品を、ZOZO MARKETというモールで露出できるようになるサービスだが、STORES.jpで開設された6万店を超えるストアのうち7割がアパレル関係とのことなので、ZOZO MARKETには大きな効果が期待されている。
スタートトゥデイ、個人でも出品できる「ZOZOMARKET(ゾゾマーケット)」を来年1月に開始
個人間売買のさらなる跳躍に必要要素
フリマアプリが注目を集めているのも、スマートフォンで撮影して手軽に出品ができるようになった点が大きい。2014年さらにブレイクするためには、出品を躊躇するもう1つの壁となっている「発送の手間」を軽減するサービスの提供がポイントになるかもしれない。
日本ではレンタル倉庫を提供する「minikura(ミニクラ)」がヤフオクと提携し、預けた商品を出品し、売買が成立したら発送を代行して行ってくれるサービスを提供している。
このようなサービスが充実してくれば、個人間売買はさらなる盛り上がりを見せるのではないだろうか。
2014年も個人間売買を重要なトピックとして追っていく。