COLUMN

青?白?人によって違った色に見えると話題のドレス、存在しないカラーを製品化

1枚の写真のドレスの色が「青と黒に見える」か「白と金に見える」かで、大きな話題になっている。日本でも27日頃からかなりシェアされていたので、見かけた方も多いのではないだろうか。
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これが話題になった写真。私は水色と茶色に見えるのだが、みなさんはどうだろうか?

アパレルブランドが「存在しない方の色」を製品化

実際の服の正体は「ROMAN」というイギリスアパレルブランドの青と黒のドレス。光の関係で、人によって違った解釈をしてしまい、色の見え方が変わってしまうようなのだ。
これだけ話題になったことをうけて、「ROMAN」は同社の公式Twitterで「いま白と金色のドレスを作成中で3月4日にお披露目する」と宣言し、製品化することを明らかにした。


話題になった翌日に写真とともにツイートするというスピード感だったことから、「もともと仕掛けられたプロモーションなのでは」という声があがるほどだったが、その翌日のTwitterでは、「チャリティオークションのためにわずか1着しか作らない」とツイートしているため、実際に販売するかどうかは不明だ。

話題の発端はある歌手のTumblrへの投稿

話題の発端は、スコットランドの歌手ケイトリン・マクニールさんが2月25日にTumblrで「このドレス白と金に見える?それとも青と黒?」と投稿し、意見が真っぷたつに分かれたことから話題になった。もともとFacebookに投稿した際に意見が割れたことから、Tumblrに投稿したという背景があるそうだ。
このTumblrの投稿を米国のバイラルメディア「BuzzFeed」が紹介したことで、さらに大きな話題となり、「BuzzFeed」の記事「What Colors Are This Dress?」の同時アクセス数は同サイトのこれまでの記録を塗り替える67万3,000件に達したほどだ。
28日には、アメリカの人気歌手であるテイラー・スウィフトが「明らかに青と黒」ツイートし、さらに話題は広がっていった。


なぜこのように色の違いが生まれてしまったのかを丁寧に分析する記事が公開されており、以下のような理由が考えられるとしている。

  • 「後ろから強い光が射していてドレスとカメラはその影に入っている」と認識した人は、より明るく補正してドレスを見るので白と金に見えます。
  • 「部屋全体が明るくてドレスとカメラも明るい場所にある」と認識した人は、より暗く補正してドレスを見るので青と黒に見えます。
  • 加えて、環境光がオレンジに近いと判断するか、青っぽいと判断するかも大きな影響を与えている(前述の手に持った色紙の写真を思い出してください)。

なぜドレスの色の錯覚はおきたか?-色の恒常性-

世界的に話題になったこの状況をブランドはどう活かしていくのだろうか。他ブランドにとっても興味深い事例と言えるのではないだろうか。


ROMAN
http://www.romanoriginals.co.uk/

イイヅカ アキラ
ST編集長。Web制作会社にデザイナー、ディレクターとして従事後、フリーを経て、現在は株式会社プレイドに所属。

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